Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

小堀杏奴 「晩年の父」

2022-09-09 17:28:49 | 読書
小堀杏奴 「晩年の父」岩波書店 (文庫 1981/9).

岩波新書「森鴎外」で,この本を思い出し書棚から発掘.なんで刊行早々にこの本を買ったのか,覚えていない.

目次は*****
 晩年の父 1)
 思出 2)
 母から聞いた話 3)
 あとがきにかえて はじめ悪しければ終り善し 4)
***** 1)-4) の番号は便宜上 私がふりました.

1)-3) は 1936 年刊.4) は雑誌「諸君」1979 年 1 月号より転載.計算すると,著者は 1)-3) 執筆時には 25 歳で,やはり内容はロマンチック.4) では 70 歳,安心して読める.テレビドラマ「獅子の如く」(1978) で,母しげを演じた十朱幸代に言及したりしている.

巻頭に「この書を最愛の母上に捧ぐ」とある.3) に描かれた父と母の関係が面白かった.
父は,父の母すなわち著者から見たら祖母の言いなり.先妻との結婚も離婚も祖母の言いなり.次は祖母が良いならと,母と会わずに縁談を進めようとしたり...今の言い方ではマザコンである.当然 著者も父に批判的だった時期があった.

父と母とは 20 歳近い年齢差があった.著者と母との関係は普通だが,父・パッパとの関係は,おじいちゃんと関係に近かったようである.

著者の夫君は洋画家 小堀四郎.右端は彼の 1927 年の作品「影」

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