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【HUNTER2022.11.08】:鹿児島県医師会、わいせつ事件男性職員の常習ハラスメントを隠蔽|崩れる「合意に基づく性行為」

2024-08-03 06:34:20 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2022.11.08】:鹿児島県医師会、わいせつ事件男性職員の常習ハラスメントを隠蔽|崩れる「合意に基づく性行為」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.11.08】:鹿児島県医師会、わいせつ事件男性職員の常習ハラスメントを隠蔽|崩れる「合意に基づく性行為」

 新型コロナウイルス感染者の療養施設で、鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員が女性スタッフに対し強制性交の疑いが持たれる“わいせつ事件”を起こしていた問題に絡み、10月末に退職した当該職員(以下、本稿では「男性職員」。既報)が、別の複数の女性に対し常習的にセクハラやパワハラを行っていたことがハンターの取材で分かった。

わいせつ事件を受けて県医師会が設置した調査委員会に男性職員のハラスメントに関する証拠が提出され、事実関係が認知されていたことも判明。しかし医師会は、鹿児島県に提出した調査報告書や報告書提出後の記者会見で、ハラスメントの事実には一切触れず、性被害を訴えている女性と男性職員の間に「合意があった」とする見解だけを強調していた。

 医師会上層部は、調査委設置以前から「合意があった」と公言していた池田会長の立場を守るため、男性職員によるハラスメントの実態を隠蔽し調査結果を歪めた可能性が高い。

             ◇   ◇   ◇

 医師会の男性職員が起こしたわいせつ事件を巡っては、9月27日に医師会から塩田康一鹿児島県知事に提出された調査報告書や同日に開かれた医師会の記者会見で、同会顧問の新倉哲朗弁護士(和田久法律事務所)が、刑事事件として捜査中の事案であることを無視して「合意に基づく性行為だった」と断定。その上で、「一定の社会的な制裁を受けた」などとして「情状酌量の上、停職3か月」(報告書の記述)という軽い処分にしたことを公表していた。

 医師会が、本来なら内規にある「諭旨退職・懲戒解雇事由」にあたるはずの事案を「停職3か月」という極めて軽い処分にした最大の理由は、調査委が、問題となった性交渉を「合意に基づくもの」と断定したからだ。だが、男性職員がセクハラ、パワハラの常習者だとすれば、当該職員の主張には重大な疑義が生じるだけでなく、療養施設などでの性交渉が、じつは日頃のハラスメントの延長だったとする見立てさえ成り立つことになる。そのため池田会長や顧問弁護士を含む医師会上層部は、別件のハラスメント被害をすべて隠して、ことさら「合意に基づく性行為だった」と喧伝したのではないのか?

 では、男性職員は、どのようなハラスメントを行っていたのか――?男性職員が退職するという情報を得て取材を続けていたハンターに寄せられたのは、ハラスメントに関する数々の証言と、それを裏付ける証拠だった。

 ■セクハラの証明

女性

女性
 
 セクハラがひどい。このまま続くなら上に相談する。気持ち悪い。

 医師会職員とみられる女性から、SNS上でこのように厳しく追及されていたのは、新型コロナウイルス感染者の療養施設でわいせつ事件を起こした男性職員。関係者の話によると、男性職員は次のように返信していた。

 すみません。やめます。失礼しました。きちんと謝ります。次は絶対ありません。すみません。やって良いことではないと理解しておりましたが。本当に申し訳ありません

 セクハラ行為は別の女性にも行っていたようで、被害が広がっていたことを示す記述もある。

女性
女性
 
 派遣さんに抱きつくな。
女性
女性
 
 みんな迷惑している。

 これに対して男性職員は――。

 あなたが言う通り。間違いはありません。明日から心を入れ替えます

 殊勝な姿勢をみせる男性職員だが、被害を受けた女性の怒りは収まらず、強い言葉での非難が続いていた。

女性

女性
 
病気だと思うので治してください。
女性
女性
 
 派遣さんにしたこととか、私が知らないと思ったら大間違いです。絶対許しません。

 女性の怒りの前に、男性職員は“完落ち”。自分のセクハラが病的なものであることを認め、謝罪を繰り返していた。

全て私が悪い
診断と治療を受ける

 この後に被害を受けた女性が放った一言は、男性職員のハラスメントが広範囲に、しかも常習的に行われていたことを示している。

女性
女性
 
 みんな我慢してた。何度すみませんと言われても許さない。一生許さない。

 ■パワハラの証明

 男性職員によるパワハラの証拠もみつかっていた。

 被害者とみられるのは、新型コロナの療養施設に勤務していた女性の看護師。医師会の関係者らしき人物に、男性職員から“奴隷扱い”されたと告白し、話をするたびに動悸がすることや、メールを送信するだけでも「手が震える」と訴えていた。原因は、男性職員によるパワハラである。

 興味深いのは、この被害者が男性職員同様に怖がっていた別の女性看護師(以下、A看護師)がいたことだ。被害にあった女性は、そのA看護師についても、話をするたび「動悸がする」ほど嫌な思いをしていることを打ち明けていたという。実は、怖がられていたそのA看護師こそ、調査委の聞き取りに対し、強制性交の被害を訴えている女性スタッフや、かつて女性スタッフとともに働いていた医療機関を悪しざまに語った人物。A看護師の証言が都合よく使われた結果、被害を訴えている女性スタッフについてのでっち上げられた悪評が、医師会関係者の間に広まっていることが分かっている。

 パワハラ被害を受けた女性はA看護師と一緒に仕事することを拒んだというが、相談された問題の男性職員は「あまりわがままが過ぎると、勤務できなくなる」「勤務から外す」などと脅しともとれる言葉で勤務を強要していた。パワハラにあった女性看護師は、他にもいたとされる。

 ■虚構の証明

 男性職員のセクハラやパワハラは、鹿児島県医師会が男性職員のわいせつ事件を調査するため設置した「調査委員会」の中で認定されていたという。しかし、医師会が9月27日に塩田知事に提出した調査報告書には、ハラスメントの事実は一切記載されていない。同日に開かれた医師会の記者会見でも、同会顧問の新倉哲朗弁護士が「合意に基づく性行為だった」と強調しただけで、男性職員がハラスメントの常習者であったことにはまったく触れなかった。医師会の男性職員による常習ハラスメントが、意図的に隠されたということだ。

 調査委員会の結果を受け、医師会の懲罰委員会が男性職員に下したのは、「停職3か月の懲戒処分」。その前提については、医師会の調査報告書に詳しく記されていた。報告書の中の『職員の処分』の全文を以下に引用する。

第6 職員の処分

1 X職員の行為は、鹿児島県医師会調査委員会(以下「調査委員会」といいます。)の調査結果を前提にすれば、合意の上である蓋然性は高いと思料されるが、当該行為は、鹿児島県が借り上げ、新型コロナウィルス感染症患者が療養するために使用している宿泊療養施設内およびA医療機関内で行われており、鹿児島県から宿泊療養施設に関する業務委託を受けた当会に対する信用を失わしめるだけでなく、新型コロナウィルス感染症対策事業に協力する医療機関その他の医療機関、さらには鹿児島県民の信頼を損なう行為であり、極めて不適切な行為といわざるを得ません。

2 しかしながら、X職員

 

は、これまで就業規則に反した処分に処せられるようなことはありませんでした

そして、X職員は、鹿児島市外の宿泊療養施設の立ち上げやその他の宿泊療養施設の運営や医療機関のクラスター問題に尽力したことも事実であり、宿泊療養施設の看護師からも評価されております

他方で、本件行為は、NHK等のマスコミで広く報道されました。

報道機関の意図は、不明ですが、その報道内容は、一般人に、あたかもX職員がY氏の意思に反して無理やり強制わいせつ行為や強制性交行為を行ったと疑わせるようなものだったと考えられ、調査委員会の事実認定に反するものだったと考えられます。

当会としましては、X職員がマスコミ報道等によって、自らの非違行為を超えた重大な非違(犯罪)行為を行ったかの如く世間に疑われ、これまで客観的事実とは異なる行き過ぎた社会的な批判を浴び続けたことに関して、一定の社会的な制裁を受けたものと考えます。

加えて、X職員は、当会に本件が発覚した後、令和4年2月15日から自宅待機命令を受けており、その期間は半年を超えております。

3 以上のように、X職員の行為は極めて不適切な行為であり、当会就業規則第51条の4の⑨「医師会又は職員個人の名誉や信用を著しく傷つけたとき」(論旨退職・懲戒解雇事由)に当該すると考えますが、前記2項で挙げた情状を考慮し、情状酌量の上、停職3ヶ月の処分を言い渡すものです。

 医師会の主張はこうだ。
1 宿泊療養施設における性行為は、「合意」に基づくものだった。
2 これまで男性職員が就業規則に反した処分に処せられるようなことはなかったし、宿泊療養施設の立ち上げや運営、医療機関のクラスター問題などに尽力しており、宿泊療養施設の看護師からも評価されている。
3 一定の社会的な制裁を受けている。

 ――以上の理由から 情状を酌量し、停職3か月の処分にする。

 強制性交の被害を訴えている女性が男性職員を告訴し、これを受理した鹿児島県警が捜査を続けている中での医師会の調査結果は、誰が読んでも無理がある内容だろう。性被害を訴えている女性の人権を、平気で踏みにじる姿勢は醜悪と言うしかない。

 セクハラやパワハラは、場合によっては犯罪として罰せられる行為だ。県医師会がどれだけ「人権」を軽んじる団体であろうと、いまのご時世、ハラスメントが就業規則に反していないわけがない。すると「(男性職員は)これまで就業規則に反した処分に処せられるようなことはありませんでした」という調査報告書の記述は事実上の虚偽。複数のパワハラ被害者が存在する以上、「宿泊療養施設の看護師からも評価されている」という話を信じる県民は皆無に近いだろう。当然、嘘と隠蔽によって組織防衛を図ろうとした県医師会・池田執行部による「(性行為が)合意の上である蓋然性は高いと思料される」という主張の信憑性は大きく揺らぐことになる。

 「一定の社会的な制裁を受けている」というもう一つの処分の前提については、これまでの配信記事で述べてきたとおり。男性職員の実名は報道されたことがなく、「一定の社会的な制裁を受けた」とする根拠はどこにもない。

 県医師会による調査報告書の記載内容と記者会見での主張は、いずれも“虚構”と断ぜざるを得ない。わいせつ事件発覚直後から『合意があった』と言いふらした池田会長と側近、さらには顧問弁護士らは、会長の立場を守るため、調査委員会を使って虚構を既成事実化した可能性が高い。ハンターはその証拠も握っており、次週の配信記事で詳しく報じる予定だ。(中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・新型コロナウイルス感染者の療養施設で、鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員が女性スタッフに対し強制性交の疑いが持たれる“わいせつ事件”を起こしていた問題】  2022年11月08日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2022.11.04】:【速報】わいせつ事件の鹿児島県医師会男性職員が退職|背景にあるのは・・・

2024-08-03 06:34:10 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2022.11.04】:【速報】わいせつ事件の鹿児島県医師会男性職員が退職|背景にあるのは・・・

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.11.04】:【速報】わいせつ事件の鹿児島県医師会男性職員が退職|背景にあるのは・・・ 

 新型コロナウイルス感染者の療養施設で、女性スタッフに対し強制性交の疑いが持たれる行為に及んでいた鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員が、10月末に退職していたことが分かった。

◇   ◇   ◇

 医師会の男性職員が起こしたわいせつ事件を巡っては、先月27日に医師会から塩田康一知事に提出された調査報告書や同日に開かれた医師会の記者会見で、同会顧問の新倉哲朗弁護士(和田久法律事務所)が、刑事事件として捜査中の事案であることを無視して「合意に基づく性行為だった」と断定。その上で、「一定の社会的な制裁を受けた」として「情状酌量の上、停職3か月の懲戒処分」(報告書の記述)という軽い処分にしたことを公表していた。

 これに対し鹿児島県は10月5日、医師会に対し、文書による厳重注意とは別に口頭で、「具体的な調査においても、関係者からの聞き取りをする前から「複数回あった」、「強制であったかどうか」との発言があるなど予断を持って調査が進められた、「調査の進め方に問題があった」、「当該職員がマスコミ報道等によって一定の社会的な制裁を受けたとしているが、職員の実名が報道されたことはなく、何をもって一定の社会的な制裁を受けたものと言えるのか、疑問である」などと厳しく糾弾。この問題についての医師会の調査結果と調査過程、さらには男性職員への処分内容に事実上の“不同意”を表明していたことが明らかとなっていた(既報)。

 

 一連の対応を否定された県医師会上層部は、そうした経緯を県民はもとより組織内の会員にも一切報告せず沈黙。男性職員は、停職期間(3カ月)の満了を待たずに10月末をもって退職していた。

 一体何があったのか――?周辺を取材したところ、事件を起こした男性職員の復職に、医師会内部から反発が噴出。多くの職員が職場復帰に反対する意思表示をしたため、組織内で男性職員の辞任を模索する動きが出ていたという。

 突然の退職を知った医師会関係者は、こう話している。

 「退職?ほんとかね。何も聞いていない。そもそも、先日のハンターの記事にあった県からの厳しい指摘についても、報道されるまで誰も知らなかったわけだから。うがった見方かもしれないが、池田会長が言いふらした『合意があった』を既成事実化させた上で、因果を含めて退職させるというシナリオがあったのかもしれない。ただ、医師会職員の間から、特に女性職員からだが、問題を起こした男性職員の職場復帰に反対する声が出ていたのは確かで、嘆願書が提出されたという話があったほどだ。先月の20日過ぎくらいにハンターが配信した記事も影響したのかもしれない。いずれにせよ、裏で何があったのか、しっかりと検証したほうがいい」

 「情状酌量の上、停職3か月の懲戒処分」で済んだ男性職員が、なぜ医師会を辞めなければならなかったのか――。疑問を抱いたハンターが追跡取材でつかんだ答えは、わいせつ事件に関する県医師会の調査結果を根底から覆しかねない、とんでもない「事実」だった。詳細は次週からの配信記事で詳しく報じていく。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・新型コロナウイルス感染者の療養施設で、女性スタッフに対し強制性交の疑い】  2022年11月04日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・2020.12.18】:【指宿女性教師暴行事件】:報告書から省かれた「犯行自白」場面(下)

2024-08-03 06:25:50 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER・2020.12.18】:【指宿女性教師暴行事件】:報告書から省かれた「犯行自白」場面(下)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・2020.12.18】:【指宿女性教師暴行事件】:報告書から省かれた「犯行自白」場面(下) 

 今年9月、鹿児島県指宿市で市内の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任(当時・懲戒処分を受け辞職)から性的暴行を迫られ、かろうじて難をのがれながらも身体と心に大きな傷を負うという事件が起きた。明らかに強制性交未遂として裁かれるべき事案だったが、県や市の教育委員会は「セクハラ」と言い募り、校長あがりの豊留悦男市長まで議会で「セクハラ」と断定する状況となっている。

 被害者軽視の歪んだ事態を招いた原因は、事を矮小化するために作成されたとしか思えない学校側作成の「事故報告書」にあったとみられる。事故報告書の記載内容はどこまで信用できるのか――被害者周辺への取材を重ねた。

 ■暴行事件「矮小化」の証明

 下は、昨日の配信記事で示した事故報告書の記述について、被害者側が「明らかに事実と違う」と明言した箇所を赤いアンダーラインで示し、番号をふったものだ。少なくとも7カ所が、被害者や被害者の両親が訴えた内容が反映されていないか、あるいは事実と異なる記述なのだという。

 まず、報告書の1枚目から見てみたい。の「9月23日 20時00分頃」の記述、校長は「職員室で●●(加害者)が○○(被害女性)に果物はいらないかと声を掛けたところ、○○(被害女性)が応じた」と記している。サラリと流しており、あたかも女性教師が簡単に誘いに乗ったかのような書きぶりだが、実際はまるで違っていた。

 女性教師は「申しわけないですから、いいです」と断ったものを、しつこく言われ、上司の勧めだからとして“仕方なく”果物の受け取りを承諾したのだという。のっけから、事件を矮小化しようとする校長らの意図がミエミエとなる報告書の記載内容だ。

 次に②の部分の記述だが、加害者が「仕事上のアドバイスなどがしたいとして」引き留めたのに対し、被害女性は「仕事上のアドバイスなら聞きたいと思い」とある。しかし、被害者側は「アドバイス」などと言われた事実は一切ないとした上で、「アドバイスを聞きたいと思ったことなど微塵もない」と断言。校長にも、こんな話はしていないという。

 前稿でも指摘したが、これは明らかなでっち上げ。加害男性の創作を鵜呑みにした校長が、女性教師にも責任があったように見せかけるため、裏取りなしで真相をねじ曲げたということだろう。 

 ③の「抵抗した」については、詳しく述べるとこうだ。腕をつかんで引き留めようとする加害者に対し、女性教師は「何ですか?やめてください!帰ります!」と何度も繰り返して、引っ張り合いに――。この際、強い力で振り回された女性教師はケガを負っている。これも校長に伝えてあるのだというが、報告書の記述からは省かれていた。意図的なものを感じるのは、記者だけではあるまい。

 ④の「面会した」という短い言葉も、実態を隠したものだった。この日、被害女性の母が校長室を訪ねたのだが、加害者は土下座をして謝っていた。教頭と校長も同席していたはずだが、加害男性が罪を認めたことについては触れられていない。なぜこうも重要な事実が抜け落ちるのか……。女性教師の周辺は、心に大きな傷を受けた彼女を気持ちを代弁する形で「管理職、教育委員会に対しては失望の連続。事件を小さく見せようとする動きばかりが目立つ展開です。被害者への思いやりはかけらもないということなのでしょうか」と憤る。

 報告書2枚目の⑤と⑥についても同様。被害者が校長に「明日は加害者は出勤するのですか。出勤されるのであれば、私は出勤したくありません」と伝えたことや、「まだ処分が下りてないから」という理由で市教委が加害者を出勤させようとしていたことなどが抜け落ちており、関係者は「学校や市教委が責任逃れをするため、肝心なところをぼかして報告書を作成したのではないか」と話す。

 ⑦の記述にしても「謝罪させた」などという簡単な話ではない。この時は、教頭と校長が立ち会い、被害者の両親と加害者が対峙した重要な場面。そこでは無反省に他人事のような発言を繰り返す加害者を両親が厳しく追及し、加害者が「わいせつ」や「下心」を認めていた(参照記事⇒【指宿市女性教師暴行事件】被害者の母と加害男性、緊迫のやり取り)。加害者が“犯行”を認めた場面の記述がすっぽり抜け落ちたのは、明らかな隠蔽と言うしかあるまい。

 以上、小学校長名で教育委員会に提出された「事故報告書」は、事件の大まかな状況をたどってはいるものの、「わいせつ」や「強制性交未遂」という真相を覆い隠すための工夫が、随所にみられる内容だった。

 この報告書を前提に教育委員会内部の議論がなされた結果、性的暴行が「セクハラ」で済まされ、本来なら懲戒免職にすべき事案が「停職1カ月」となって退職金まで支給されるというふざけた処分で終わっている。「わいせつ」を否定した県教委と記者のやり取りを、再掲しておきたい。

記者:わいせつ行為を行おうとした男が、なぜ懲戒免職ではないのか?”
県教委:わいせつとは認められなかったからです。

記者:何故わいせつではないのか?
県教委:本人に聞いたところ、猥褻を否定したからです。

記者:本人とは、加害者の男性教師のことか?
県教委:そうです。

記者:捕まった人殺しが、「私がやりました」と簡単に言うのか?
県教委:わいせつではありませんから。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【事件・犯罪、鹿児島県指宿市で市内の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任(当時・懲戒処分を受け辞職)から性的暴行を迫られた事案】  2020年12月18日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・2020.12.17】:【指宿女性教師暴行事件】:犯罪行為を矮小化した「事故報告書」(上)

2024-08-03 06:25:40 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER・2020.12.17】:【指宿女性教師暴行事件】:犯罪行為を矮小化した「事故報告書」(上)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・2020.12.17】:【指宿女性教師暴行事件】:犯罪行為を矮小化した「事故報告書」(上) 

 女性教師への暴行事件が起きた鹿児島県指宿市には、卑劣な犯行に及んだ元男性教師を庇ったり、傷ついた被害者を誹謗中傷したりする“歪んだ考え方”の人間が少なからず存在する。直接的に手を出しているわけではないが、そうした連中は紛れもなく「加害者」だ。

 一番の問題は、加害者と被害者の上司である学校長が、被害女性に「加害者の●●先生を追い込む気か!」と逆切れしたあげく、「示談」を勧めたという点。不倫の前歴がある加害者を「教務主任」に任命した責任を問われたくなかったのか、あるいは庇わざるを得ない「特別な事情」があったのか定かではないが、校長がとった一連の行動は、明らかに女性教師と周辺の信頼を裏切るものだった。

 じつは、鹿児島県教育委員会が「停職一カ月」という加害男性の懲戒処分を決めるまでの過程で、暴行を受けた女性教師の被害状況や気持ちは、まったくと言ってよいほど考慮されていない。被害者の人権を否定し、加害者だけを守ろうとする「不正義」が、まかり通っているのが現在の鹿児島なのだ。事件を矮小化するために作成されたとしか思えない、学校側が県教委に提出した「事故報告書」について二回にわたって詳しく報じる。

 ■報告書記載内容への疑問

 学校内で体罰やいじめ、教員同士のトラブルなどが起きた場合、現場を預かる校長は「事故報告書」を作成し、教育委員会に報告を上げなければならない。9月23日に起きた今回の女性教師暴行事件では、5日後の28日に市教委に対し事故報告書が提出されていた。下は、ハンターが入手した報告書の写しである。

 県教委が加害男性への処分を決めるにあたって、現場からの「第一報」となった事故報告書の記載内容が重要な意味を持つのは言うまでもない。関係者からの聞き取り調査も行われているのだが、事故報告書が事案全体の方向性を決定付けるのに、多大な影響を与えたことは想像に難くない。 

 分かりやすい例だが、県教委の調査に応じた被害者教師は県教委側から、実際には何分もの間身体的な接触をしようとする加害者ともみ合った状況だったにもかかわらず、あたかも“一瞬”の出来事だったように言われ驚いたという。そうした間違った見立ての原因は、学校長の事故報告書にあったと考えられる。報告書の該当部分は、1枚目の「9月24日 0:50分頃」にある次のくだりである。
玄関の鍵を閉められたことから、更に恐怖を覚え、「さわらないでください。」と強く抗議したところ、●●(加害男性)がつかんでいた手の力が緩んだことから、○○(被害女性)は玄関の鍵を開けて外に逃げた》――どうみても、もみ合いというより瞬間的なやり取り。この記述が、当事者以外の関係者に予断を与えたのは確かだろう。

 時系列的にはこれより前になるが、「9月23日 20:20頃」、つまり事件当日の加害男性の部屋での動きも、実態とは違う。《仕事上のアドバイスをしたい》として引き留めた加害者に対し、女性教師は《仕事上のアドバイスなら聞きたい》と思ったことになっている。ところが、当日このようなやり取りは一切行われておらず、女性教師が積極的に部屋に残ったわけではなかったことが分かっている。この記述は、明らかに加害者側の言い分をそのまま文章にした、いわばでっち上げと言うべきものだ。

 報告書の記述内容が、加害男性の罪を軽くする目的をもっていたとすれば、当然のことながら教育委員会の処分方針は大きく変わる。形だけ被害者の訴えを入れながら、巧妙に加害者の逃げ道を作ったとすれば、この報告書の罪は重い。現に、県教委の担当職員は“加害男性のやったことは、わいせつ行為ではないのか”というハンターの確認取材に対し、「わいせつ行為にはあたらない」と断言。信じられないことに、その理由は「(加害者)本人がそう言ったから」だった。

 強制性交未遂としか思えない犯罪行為を行った人間の主張だけを取り上げ、被害女性の言い分を軽く扱って処分を決めた県教委の姿勢の裏には、学校長の事故報告書があったとみられている。

 事故報告書の記載内容はどこまで信用できるのか――?ハンターは、被害者及び周辺への取材を重ねた。(つづく)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【事件・犯罪、鹿児島県指宿市で市内の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任(当時・懲戒処分を受け辞職)から性的暴行を迫られた事案】  2020年12月17日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・2020.12.08】:指宿市女性教師暴行事件に新たな事実|加害者“不倫の過去”承知で教務主任に任命

2024-08-03 06:25:30 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER・2020.12.08】:指宿市女性教師暴行事件に新たな事実|加害者“不倫の過去”承知で教務主任に任命

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・2020.12.08】:指宿市女性教師暴行事件に新たな事実|加害者“不倫の過去”承知で教務主任に任命 

 鹿児島県指宿市の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任だった男性教師(当時・今月に入り懲戒処分を受けて依願退職)に呼び出されて暴行を受けた事件を巡り、問題の加害男性が、過去に学校関係者と不倫関係になったことが露見して離婚していたことが分かった。

 周辺取材や残された記録から、女性教師と加害男性が勤務していた小学校の校長・教頭が、加害者のこうした不適切行為を知っていたことも判明。学校側は、加害男性の悪い癖を承知した上で、「教務主任」という重要なポストに就けていた。

 過去の不適切行為を見逃さずに処分していれば、今回の事件を回避できていた可能性が否定できず、鹿児島県教育界の身内に甘い体質が何人もの被害者を生むことにつながったのは確かだ。

 ■市教委関係者も知っていた加害者の「不倫」

 ハンターの取材によれば、今回の事件を起こした元男性教師は数年前、学校関係者の女性に無理やり交際を迫り「不倫」の関係になっていた。

 不適切交際のことは加害男性の家族の知るところとなり、離婚。一連の出来事は学校関係者の間で噂になり、しばらくして元教師は勤務先の学校から異動などの形で姿を消したという。

 こうした事実について加害男性は、校長、教頭が立ち会った被害女性の両親との面会時に認める発言をしており、その際教頭は加害男性のことについて「不倫がわかって離婚されたと聞いています」と明言していた。教頭や校長は、加害男性の過去の行状を知っていたことになる。 

 不倫で問題を起こした教員が、なぜ教頭の一歩手前である教務主任になれたのか――。ある指宿市の関係者は、声を潜めてこう話す。
 「市内の多くの人が、『ああ、不倫のセンセイね』と反応するほど問題の教員のことは知れ渡っていました。もちろん、今回の事件の前からです。だいたい、かつては学校の先生だった指宿市教委の職員も、加害者が過去に不適切な男女交際を行っていたことを知っていたんです。なのに、なんであんな先生が教務主任になれたのか……。裏に市の権力者の力が動いたという話もありますから、まともな人事じゃなかったんでしょうけど」

 たしかに、今回の強制性交未遂事件を、無理やり「セクハラ」で済ませようとする学校や教育員会の対応は疑問だ。教職という子供たちを指導的する立場にありながら不適切な男女関係をもって元の家族を不幸にし、反省もなく今回の暴行事件を起こした加害者を、最後まで庇おうとした学校長や教育委員会の歪んだ姿勢は理解できない。

 校長は、被害者である女性教師に、「(加害者の)●●先生を追い込むつもりか!」と逆切れしたあげく、あろうことか加害者との「示談」を持ち掛けるという非道さ。ハンターの取材に答えた県教委の担当は加害者の話だけを判断材料にし、「わいせつは認められない」と断言していた。

 県教委が加害男性の処分を決めるまでの過程で、暴行を受けた女性教師の被害状況や気持ちは、まったくと言ってよいほど考慮されていない。被害者の人権を否定し、加害者だけを守ろうとする「不正義」が、まかり通っているのが現在の鹿児島だ。次の配信記事では、事を矮小化するために作成されたとしか思えない、学校側が県教委に提出した「事故報告書」について詳報する。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【事件・犯罪、鹿児島県指宿市で市内の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任(当時・懲戒処分を受け辞職)から性的暴行を迫られた事案】  2020年12月08日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・2020.12.04】:指宿市女性教師暴行事件の加害者に「停職1ヵ月」|“猥褻”否定で退職金の理不尽

2024-08-03 06:25:20 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER・2020.12.04】:指宿市女性教師暴行事件の加害者に「停職1ヵ月」|“猥褻”否定で退職金の理不尽

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・2020.12.04】:指宿市女性教師暴行事件の加害者に「停職1ヵ月」|“猥褻”否定で退職金の理不尽 

 理不尽な決定だ。今年9月に鹿児島県指宿市の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任に呼び出されて性的暴行を迫られ、懸命に難を逃れたものの身体と心に大きな傷を負った問題で3日、鹿児島県教育委員会が加害者である男性教師を「定職1ヵ月」の懲戒処分にしたことを公表した。免職ではなく停職という一段軽い処分。加害男性は依願退職したというが、退職金は支払われることになる。

 処分理由を問い質したハンターの記者に対し、県教委側が示したのは「猥褻行為があったとは認められないから」という到底容認できない一言。改めて、加害男性が被害女性の両親と学校長、教頭の前で発した「肉声」を確認しておきたい。

 ■腐った鹿児島の教育界

 鹿児島の教育委員会は腐っている。“猥褻行為を行おうとした男が、なぜ懲戒免職ではないのか?”という記者の問いに対し、県教委の担当者から返ってきたのは「猥褻とは認められない」という、ふざけた発言だった。

 “なぜ猥褻ではないのか?”――県教委が理由にあげたのは、「本人に聞いたところ、猥褻を否定したから」。さらに確認を求めたところ、「本人」とは加害者のことだという。呆れてものも言えない。卑劣な加害者は、被害女性の両親と学校長、教頭の前で「猥褻」を認めていたからだ。その時の発言を再掲する。 

 ■犯意を認めていた加害者に「退職金」

 被害女性の母親から「(娘に)何をしたか?」と追及された加害者は、こう発言する。
 「はい、あの本当に、こう猥褻にあたるような、そういったことをしてしまって、本当にもう、あの謝っても謝っても、本当にどうしようもないということだというふうに、はい。大変申し訳なく思ってます

 母親から性的な行為をする“下心”があったかどうかについて確認された加害者は「下心は最初はありませんでした」とごまかしたが、さらに厳しく追及されると「ただ時間が経つにつれて、段々段々、私も、あの酒の量も増えてきましたし、時間も遅くなってきましたので、まぁそういった部分がでてきたと思います」。

 “何をしたかったんですか?に対しては「まぁそのような……」とぼかし、最後は“どうにかなりたいと思っていたわけでしょ”と詰められ「下心はあったと思います」と認めていた。

 「どうにかなりたい」という下心をもって部屋の鍵をかけ監禁し、相手の女性の身体をさわり、傷までつけた――これは明らかな強制性交未遂だろう。

 県教委は、「猥褻ではなくセクハラ」だと主張しているらしいが、とんでもない話。教員同士のかばい合いであり、腐った教育界の典型例が序実に現れた形だろう。「退職するからいいじゃないか」という声が聞こえてきそうだが、懲戒免職ではないため、卑劣な犯行に及んだ加害者に、県民の税金から退職金が支払われることになる。本当にそれでいいのか――。

 ■新たな“加害者”への警鐘

 懸念はまだある。こうした被害者無視の歪んだ教育行政が、さらなる被害を生む可能性があるということだ。

 じつは現在、指宿市内の、しかも一部のPTA関係者の間から、被害にあった女性教師のことを「騒ぎ過ぎ」「事を大きくし過ぎた」などと非難する声が上がっているのだ。ある市議会議員に至っては、同僚議員らの前で「夜、男性の部屋に行ったのがまずい」などと発言したのだという。どこにでも、腐った大人はいるものだ。

 身内が女性教師のような被害にあったとして、新たな“加害者”たちに同じことが言えるとは思えないが、「猥褻ではない」とした県教委の間違った判断は、こうした一部の歪んだ考えに免罪符を与えることにつながりかねない。

 真相を確認もしていない連中が、被害者の傷口に塩をぬるようなマネをすることは許されない。心無い誹謗中傷をした方たちについては複数の顔ぶれが確認できているので、「二次被害」が続くようなら、直接話を聞いた上で記者とのやり取りを実名で公表する予定だ。傷ついた弱者を攻撃した人間に、「人権がどうの」という資格はあるまい。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【事件・犯罪、鹿児島県指宿市で市内の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任(当時・懲戒処分を受け辞職)から性的暴行を迫られた事案】  2020年12月04日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER・2022.12.02】:女性教師暴行事件に指宿市民から怒りの声|見逃された加害者の過去

2024-08-03 06:25:10 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER・2020.12.02】:女性教師暴行事件に指宿市民から怒りの声|見逃された加害者の過去

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・202.12.02】:女性教師暴行事件に指宿市民から怒りの声|見逃された加害者の過去 

 今年9月、鹿児島県指宿市の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任に呼び出されて性的暴行を迫られ、懸命に難を逃れたものの身体と心に大きな傷を負った。

 “被害者”は女性教師なのだが、“犯人”を庇いたい連中がいるらしく、女性教師への心無い誹謗中傷が相次ぎ、学校長まで「示談」をほのめかすという腐った現状がある。

 やむなく校長への取材内容や、校長と教頭が立ち会った加害男性と女性教師の両親との対決場面を報じたが、改めて加害男性の身勝手極まりない主張を振り返り、それに対する指宿市民の声を紹介しておきたい。

 ■まるで他人事の加害者

 先週報じた加害男性と女性教師の母親とのやり取りには、大きな反響があった。取材などを通じて寄せられた読者の声の中で一番多かったのが、自分が起こした暴行事件を、まるで他人の事のように語った加害男性への厳しい批判だった。

加害教師:ただ、あのやはりその一番のやはり問題点といいますのは、やはり、あのその渡し方、まぁこれはお母さまからも先日言われましたけれども、随分時間も遅かったですし、またいろいろな方法で渡すこともできたという風に思っております。その件はもう私自身の完全な、あのー認識不足、判断のミスだという風に考えているところです。

今後につきましては、やはり○○先生が一番はあの現職復帰と言いますか、普通の状態で、教壇に立つことが、やはり一番あの優先的に考えていくことだという風に考えておりますので、まっ私にできることはなんでも、あのー処罰等誠実に受け止めて、まずは○○先生自身がこれまで通り本校に勤務できるように、あのーあらゆることに努めていきたいという風に考えているところです。はい。

 「認識不足」や「判断のミス」の末、性的暴行に及ぼうとしたというのだから呆れた男である。あげく、「(被害者の)○○先生自身がこれまで通り本校に勤務できるように、あのーあらゆることに努めていきたい」――当事者としての意識を欠くばかりではなく、まるで他人事。この発言を聞いて、怒らない被害者や被害者家族はいないはずだ。他人事で済まそうとする態度は、次のやり取りでも明らかだった。

被害者母:引き止めたんじゃないですか。本人はだって10時半には電話をするからねって言ってあるので、どうですか?
加害教師:はい。あのー、正直そういった言葉は、まぁ私がアルコールを飲んでいたせいもあるかもしれないんですけども、まぁ私はそのような認識は捉えなかったですけども。ただ○○先生自身がおっしゃっていることが、やはり一番正しいという風に思っておりますし、まっそもそも先程お母さんがおっしゃいましたように、部屋まで、401(部屋番号)までと、もうその時点で、あの私の、あのー、声に出したこと、その判断、そこもうその時点で、あのーすべてが間違っていたと思っております。

 卑劣な犯行に及んでおきながら、あくまでも第三者的な言辞で事を済まそうとする男性教師。追及が厳しくなり、遂には「罪」を認める発言に至る。

被害者母:女性をその時間に部屋まで来いって、下心があるとしか思えないですよ。それは危ないと思いますよね。要は下心があったんですよね、そん時は。
加害教師:いえ、本当にその時は果物を本当に渡したいと本当にそう思いました。

被害者母:じゃあ部屋で話をしている間に、そういう気分になったということですか。
加害教師:少し。もうこれは本当に私の心の弱さだと思っております。

被害者母:押し倒してやろうと。
加害教師:いえ、それは思わなかったです。ただ、もう少し付き合って欲しいというのはありました。

――中略――

被害者母:さっき下心があるって言いませんでしたっけ。
加害教師:はい。

被害者母:なかったんですか、あったんですか?
加害教師:下心は最初はありませんでした。はい。

被害者母:そん時はどうでしたか。夜中になって。
加害教師:ただ時間が経つにつれて、段々段々、私も、あの酒の量も増えてきましたし、時間も遅くなってきましたので、まぁそういった部分がでてきたと思います。

被害者母:部分?
加害教師:はい。

被害者母:そういった部分っていうと、具体的に何をしたかったんですか?
加害教師:まぁそのような……。

被害者母:どうしたかったんですか。そこまでのことをして。
加害教諭:まぁそのような……。

被害者母:性行為をしたかったんですか?
加害教師:いえ。性行為はそんなことはないです。

被害者母:じゃあ何をしたかったんです?
加害教師:ただもう少し、あの――。

被害者母:本当のことを言ってくださいね。
加害教師:はい。

被害者母:人として。
加害教諭:はい。

被害者母:あなた教員ですよね、まだ。
加害教師:はい。

被害者母:人としてですよ、恥ずかしくないように本当のことを正直に言ってもらわないと、謝罪にも何にもならないですよ。
加害教師:はい。

被害者母:嘘ばっかで、塗り重ねたって。
加害教師:いえいえ。はい。

被害者母:下心は?
加害教師:はい、もう。下心はあったと思います。

被害者母:あったんでしょ。どうにかなりたいと思っていたわけでしょ。
加害教師:はい、そうだと思います。

 最初は悪意を否定するも、被害教師の母による厳しい追及で、結局は「下心」があったと認めている。この男が狙っていたのは、明らかに「性的暴行」だった。この点について、指宿市在住の50代男性はこう憤る。
 「男性教師の暴行事件のことは、指宿市内の小学校の関係者なら誰でも知っているんじゃないでしょうか。被害にあった女性の先生が受け持っているクラスの子供たちでさえ、男性教師の所業を知っているんですよ。相手が断れない立場にあることをいいことに、夜に若い女性を呼び出し、自分の部屋に引っ張り込んで鍵をかけてとじ込めたというんですから、目的がわいせつ行為にあったとみるのが普通でしょう。傷害で書類送検なんて軽すぎる話。これは性的暴行未遂ですよ。指宿署は、何カ月もかけて一体何をやっていたのか。本来なら、逮捕して厳しく調べるべきなんですよ。教育委員会もだらしない。校長の態度からは、事を矮小化して、犯人を庇おうという姿勢がミエミエ。話にならない」

 たしかに、学校側は何事もなかったかのように音なしの構え。保護者への説明会さえ開いていない。それどころか校長は、被害者に向かって『示談にしないか』などと持ち掛けている。一連の動きからは、“被害者への思いやり”など、かけらも見えてこない。 

 ■過去の「不倫」、学校側は知っていた

 最悪なのは、加害者である男性教師に、心から謝ろうとする気持ちがまるで見えないことだ。「はい、その通りです」だの「誠実に対応」などといった言葉を吐いているのだが、実際の録音データを聴けば、うわべだけの謝罪であることがすぐ分かる。その証拠に、この男性教師は、被害者の母親とのやり取りの中で、いくつか嘘をついている。

 指宿市の学校関係者の中には、男性教師の「嘘」を見抜いた人が多かったらしく、同様の内容のメールが複数送られてきている。別の被害が出る恐れがあるため、具体的な嘘の内容にまで踏み込めないのだが、指宿市の小学校関係者が絶対に見逃せないというのが「下心は無かった」という男性教師の発言だという。

 取材の過程でも同じ内容の証言をいくつも拾っていたが、この男性教師は過去に「不倫」で騒動を起こし、家庭不和を招いていたのである。問題は、教員としてあるまじきそうした行為を、学校長も教頭も知っていたらしいということ。知っていて、この卑劣漢を「教務主任」にしたというのなら、性的暴行の舞台を学校側が提供したようなものだ。校長も教頭も、さらには間違った人事を認めた教育委員会も罪深い。処分を遅らせ、被害者である女性教師に「示談」を持ち掛けたのは、事を矮小化し、責任逃れをするためだったのではないだろうか。学校や教育委員会は、こうした疑問に答える義務があるはずだ。

 今回の事件を受けて、指宿市に住む40代の女性公務員は、次のように話している。
「被害女性の人権を無視した行為をしておきながら、果物の渡し方が問題だったとか、時間が遅かったとか白々しい言い訳をしていて、非常に見苦しい。明らかにわいせつ行為をしているのに、『わいせつと思われても仕方がない』とか、『最初は下心がなかった』とか、あとは被害者のお母さんの質問に『はい』と答えているだけ。本当に反省しているなら、自分から正直に事の顛末を話しますよね。明らかに上司の立場を利用して、被害女性を呼びつけて、無理やり部屋に長時間閉じ込めている。怖かったと思いますよ、彼女は。被害女性の気持ちを考えるといたたまれません。ようやく帰れると玄関に向かったら、体を触られて鍵までかけられている。『もう終わったって思った』――被害女性の絶望感と恐怖が伝わってきました。こんな卑劣で危険な男が教師をしていると思うと、安心して子供たちを学校に通わせることができません。本人も最後に『しっかりと処罰を受けて、誠実に対応していきたい』といっているんだから、関係機関はしっかり対応してしかるべきです」

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【事件・犯罪、鹿児島県指宿市で市内の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任(当時・懲戒処分を受け辞職)から性的暴行を迫られた事案】  2020年12月02日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2024年08月01日 今日は?】:JR山手線の全駅で終日禁煙がスタート

2024-08-03 00:00:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

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 ◆8月01日=今日はどんな日

  水の日

 ◆出来事

  ▼音や声が出る日本初の本格的トーキー映画「マダムと女房」が東京で封切り(1931)▼JR山手線の全駅で終日禁煙がスタート(1992)▼作詞家の阿久悠さんが、がんのため死去。70歳(2007)

マダムと女房

 ◆誕生日

  ▼米倉涼子(75年=女優)▼尾上菊之助(77年=歌舞伎俳優)▼冨永愛(82年=モデル)▼NESMITH(83年=EXILE)▼渡辺大(84年=俳優)▼工藤阿須加(91年=俳優)▼加藤夕夏(97年=女優)▼福岡聖菜(00年=AKB48)

  元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2024年08月01日  00:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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