【政界地獄耳・07.26】:野党共闘をつぶしたのは連合そのものではない
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・07.26】:野党共闘をつぶしたのは連合そのものではない
★24日、立憲民主党東京都連は常任幹事会を開き、都知事選の敗因を話し合った。25日、党政調会長で都連会長・長妻昭は会見で敗因を「無党派への浸透が課題だった」と述べ、共産党との連携について「両サイドの意見が出た。分析を深める必要がある」と説明した。連合東京は小池百合子を支援したが、選挙後、連合会長・芳野友子は「共産党が前面に出すぎて逃げてしまった票があったのではないか」と発言した。また、都連幹部は役職を続投とするとあらためて明言した。総括は党本部で月内にまとめる。
★責任逃れもいいかげんにしてほしい。選挙後も蓮舫は孤軍奮闘してネットのさまざまな雑音や中傷と戦っているが、立憲都連はもう過去のことのようだ。だが今年2月、立憲は統一候補擁立の選定委員会を設置。会議には立憲、共産党、社民党、生活者ネット、緑の党と市民団体が参加。この時から立憲の都連幹事長・手塚仁雄は「東京においては16年の都知事選以来、前回の都知事選はもとより、各首長選挙でも、共闘の実績を積み上げてきた。この間につむいできた市民と野党の信頼関係を結集させる形で、都知事選も対抗馬を擁立して闘っていこうという、重たい確認を今日はさせていただいた」とまで言っている。
★総括というのなら、手塚の「共闘の実績の積み上げ」「つむいできた市民と野党の信頼関係」を党は間違いだったと言うべき。また連合は絶えず立憲と国民民主党を支援するといいつつ、自民党を助けたり、蓮舫支援を「嫌いな党がいるから」という理由でほごにしたことを批判すべきだ。つまり、野党共闘を批判しつぶしてきたのは支援団体の連合そのものではないのか。今回の惨敗は幹事政党であった立憲の長妻と手塚が各党や各団体との共闘の戦術や内容までまとめ上げられなかったことに尽きる。共産党の選挙戦術のスタイルの古さを誰も批判できなかったことも追記し、立憲の党勢拡大も失敗した責任の所在を明らかにすべきだ。立憲党本部が出す、誰も責任を取らない、ぬるい総括が出る前に指摘しておく。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年07月26日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。