【政界地獄耳・08.02】:自民総裁選の若手「コバホーク」は本物か?演出か?
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・08.02】:自民総裁選の若手「コバホーク」は本物か?演出か?
★五輪開催中で多くの議員が地元に滞在。そのままお盆に入り、国会は開店休業中だが、自民党内の声を探ると総裁選挙の話で持ち切りだ。ことに4回生の前経済安保相・小林鷹之、今やコバホークの方がネットでは通りがいいかもしれないが、若手のホープとしてあちこちで名前が挙がる。東大法学部から財務省を経て政界入りした49歳となれば4回生以下の議員からも人気だ。自民党は派閥を解消。派閥に縛られることなく自らが信じる候補を応援することができる。その自由さから小林の名前が取りざたされる。
◆小林 鷹之(こばやし たかゆき)
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〔衆議院〕
選挙区 | 衆院選挙区 千葉 |
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氏名 | 小林 鷹之(こばやし たかゆき) |
性別 | 男(49歳) |
生年月日 | 1974年11月29日 |
出身地 | 千葉県 |
最終学歴 | 1999年東京大学法学部卒業 |
出身分野 | 国家公務員 |
党派 | 自民党 |
当選回数 | 衆議院 4回 |
主な経歴 | 1999年4月大蔵省入省 2001年 米国ハーバード大学ケネディ行政大学院留学、03年修了 2005年 財務省理財局 2007年6月米国大使館書記官 2010年10月自民党千葉県第二選挙区支部長 2012年12月衆議院議員 2016年 8月防衛大臣政務官(第3次安倍再改造内閣) 2021年10月経済安全保障・科学技術政策・宇宙政策担当大臣(岸田内閣、11月第2次内閣で再任) |
★ミソは4回生だ。5回生には元環境相・小泉進次郎というキラーコンテンツが控える。6回生に及ぶと元経産相・萩生田光一になる。既に5回、6回では自民党政治に漬かりすぎ。改革が可能なのは4回生以下とのメッセージがちらつくが、それが若手の総意なのか、それとも長老たちの演出なのか。自民党再生のキーマンとしての演出臭をいぶかる声もある。閣僚経験のある中堅議員は「4回生と言えば12年の総選挙で政権に返り咲いた時に当選したいわゆる安倍チルドレンで、苦労なく選挙に勝ってきた世代。その代わり、不祥事が多い世代としても有名で、その生き残りのひとりが小林という認識」とそっけない。別の議員からは「最近はテレビ出演も多いが、そつない官僚の典型のような発言に終始しパワーもなければ魅力もない。善しあしは別にして、党人派の萩生田や小泉には遠く及ばない。自民党にはあの程度の官僚出身の議員ならたくさんいる。若手だけが魅力。立憲民主党で言えば官僚・若手の小川淳也みたいな感じ」と手厳しい。
★ベテラン議員が言う。「小林は麻生派重鎮の元幹事長・甘利明が後見人と言われる。小林が総裁選に出れば総裁選出馬に意欲を持つ同派のデジタル相・河野太郎とぶつかり、派閥が一本化できなくなる可能性に陥る。簡単でない」。やはり自民党総裁選は複雑だ。(K)※敬称略
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◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年08月02日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。