【政界地獄耳・08.13】:自民総裁選目前 世代間対立から透ける自民党の弱さ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・08.13】:自民総裁選目前 世代間対立から透ける自民党の弱さ
★自民党総裁選挙は若手や中堅、ベテラン・長老の世代間対立の色合いが濃くなってきた。国民の人気が高い元環境相・小泉進次郎、元幹事長・石破茂が出馬に含みを持たせればデジタル相・河野太郎、幹事長・茂木敏充も意欲満々、前回も出馬した経済安保相・高市早苗や党内若手に人気の前経済安保相・小林鷹之も意欲を見せる。8日、旧安倍派の当選4期以下の約10人が会合を開き「安倍派の中堅若手で連携を確認し、世代交代を進めるべき」でまとまった。翌9日、ネット番組で小林は「処分を受けた方も1人1人は優秀だ。挙党一致で取り組まないと国難を乗り越えるのは難しい」と旧安倍派議員らが要職から外されていることを見直すべきとの認識を示した。
★ベテラン議員が言う。「4期生の小林の若手取り込み発言を元首相・森喜朗は恐れていた。これで安倍派の若手は小林に流れかねない。だからこそ安倍派復興を願う森は5期生の小泉を擁立して若手を食い止め、安倍派を小泉でまとめたい」。つまり4期生・小林の台頭で中堅を焦らせ、世代秩序を維持しようという“守旧派世代”が中堅をたきつけ若手つぶしをさせているのだ。「別につぶしたいわけではない。言語が共通する中堅議員となら政治の話が出来るということ」とベテラン議員はうそぶくが「それこそが今の自民党が置かれている状況がわからず、改革を否定し現状維持を求めるベテラン・長老のあしき慣習」と若手は世代間対立を強める。
★だが若手も結局、派閥がなくなっても「安倍派の中堅若手で連携を確認」などと言ってるようでは話にならず、「これだけの改革をして自民党を再生させるプランをのむ候補者を選ぶ」ぐらいの気概を見せないから、早々に草刈り場にされてしまっている。「逆に派閥依存に慣れきり、自分で考えたり行動する議員がいない。顔色を見ながら忖度(そんたく)するサラリーマン議員が増えたことが自民党が弱くなったことを改めて露呈させた」(閣僚経験者)。いろいろ見える総裁選挙。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年08月13日 07:40:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。