【主張②・12.02】:維新代表に吉村氏 全国政党へ立て直し急げ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・12.02】:維新代表に吉村氏 全国政党へ立て直し急げ
日本維新の会は代表選の投開票を行い、大阪府の吉村洋文知事を選出した。
維新は先の衆院選で公示前から5議席減らして38議席となった。比例代表の得票は3年前の前回衆院選と比べて、約295万票も減少した。
日本維新の会の新代表に選出され、記者会見する吉村洋文氏=大阪市北区
立憲民主党に次ぐ野党第2党の立場は保ち、野党第3党の国民民主党と並んでキャスチングボートを握った。だが、脚光を浴びるのは国民民主ばかりで維新の存在感はないに等しい。
衆院選では、野党のうち立民や国民民主などが議席を伸ばした。維新はなぜ議席を減らしたのかを分析して、手を打たなければ党勢復調は望めまい。
それは、立民と一緒になって「政治とカネ」の問題ばかりにのめり込むことでは、なし得ないだろう。
大阪の全19小選挙区で勝利したのは大したものだが、関西以外で十分な結果を残せなかった。大阪で成果を挙げた「身を切る改革」や「教育無償化」は引き続き主要政策となろうが、衆院選の結果をみればそれだけでは足りないということだ。
地方的課題である「大阪都構想」に代わる、国家国民のための政策を打ち立てることが求められる。政策を磨き、発信することなしに長年の懸案である全国政党化は難しい。
緊張感のある政治を実現するには、政権担当能力のある野党の存在が欠かせない。
立民の安全保障に対する考え方は極めて危うい。集団的自衛権の限定行使の容認を「憲法違反」としている。反撃能力の保有にも消極的だ。立民が関わる政権では日米同盟が動揺し、日本の平和と安定は保てない。立民に日本を任せられないこともあって維新の責任は大きい。
衆院選の結果、憲法改正に前向きな勢力は発議に必要な3分の2を下回った。国会では衆院憲法審査会長に憲法改正に慎重な立民の枝野幸男元代表が就いた。改憲の動きが後退しかねないだけに、維新にはこれまで以上に憲法改正の推進役としての役割が期待される。
憲法への自衛隊明記は最低限必要だ。南海トラフ巨大地震などの大規模災害や有事の懸念がある中、緊急事態条項の創設も急がれる。自民などと合意形成は進んできた。維新は改憲原案の条文化着手の旗を振ってもらいたい。
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】 2024年12月02日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます