路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説①・02.27】:公選法改正案/公正さ保つ実効ある策を

2025-03-02 06:00:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説①・02.27】:公選法改正案/公正さ保つ実効ある策を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・02.27】:公選法改正案/公正さ保つ実効ある策を 

 自民党や立憲民主党など与野党が共同提出した選挙ポスターに品位保持を求める規定を新設する公選法改正案が、衆院政治改革特別委員会で賛成多数で可決された。今国会で成立する見通しで、6月の東京都議選や今夏の参院選への適用を目指す。

 法改正は、昨年7月の東京都知事選で候補者と無関係のポスターが張られたり、政治団体「NHKから国民を守る党」が掲示板の枠を事実上売買したりしたのがきっかけだ。風俗店の広告や動物の写真が大量に張られ、民主主義の根幹である選挙の信頼を揺るがす悪質な行為に、選挙管理委員会に苦情が殺到した。

 改正案では、ポスターへの候補者名の記載を義務付けるほか、ポスター掲示板で特定の商品を宣伝した場合には100万円以下の罰金を科すとしている。

 ただ、「品位」が何を指し、誰がどう判断するのかが曖昧で、実効性には疑問が残る。政治活動や表現の自由に配慮しつつ、選挙の公平公正をどう守るのか。公権力による恣意(しい)的な規制につながるおそれもあり、さらなる検討が求められる。

 付則には、他候補の当選を目的として立候補する「2馬力」行為や、交流サイト(SNS)での収益目的の選挙運動への規制を念頭に「必要な措置を講じる」と盛り込んだが、具体策はこれからだ。

 昨年11月の兵庫県知事選では、SNS上に他候補への誹謗(ひぼう)中傷や真偽不明の情報が拡散した。立候補したNHK党の立花孝志党首が、自身の当選を目指さずに、失職した斎藤元彦氏を応援する2馬力の選挙運動を展開し、問題視された。

 2馬力選挙については、19府県の知事が政府や国会に対策を求める緊急アピールを発表した。鳥取県は立候補時に宣誓書の提出を求める独自の防止策を導入する方針だ。

 候補者間の公平性確保へ、早急な措置が必要なのは理解できる。ただ衆院政治改革特別委に招かれた参考人は、具体的にどの行為が駄目なのか不明な点があるとし「規制するならば、違反事例が分かるようにした方がよい」と指摘した。

 SNSで偽情報が拡散する背景には、閲覧数に伴って広告収入が増える仕組みがある。選挙中のSNS対策の論点として、自民は偽情報や誹謗中傷に対する罰則強化を示した。表現の自由との兼ね合いもあり、丁寧な議論が不可欠だ。SNS運用事業者の姿勢も問われる。

 選挙運動の公平さと信頼を損なう行為を放置すれば、有権者に無用の混乱を与えかねない。与野党は専門家の知見にも耳を傾け、課題を検証しながら実効性のある対策を打ち出してもらいたい。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年02月27日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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