路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【中山知子の取材備忘録・02.16】:「カオス」東京都議選2025の行方は…直後に参院選、自民党が恐れる16年前の悪夢

2025-02-17 07:45:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・02.16】:「カオス」東京都議選2025の行方は…直後に参院選、自民党が恐れる16年前の悪夢

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・02.16】:「カオス」東京都議選2025の行方は…直後に参院選、自民党が恐れる16年前の悪夢 

 2月10日、東京都議会で1日限りの「臨時会」が開かれた。もともとは予定になかった日程だが、自民党で起きた派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件が、都議会自民党のパーティーでも発覚。議長を務めてきた自民党都議の辞意表明を受け、新たな議長を選ぶための選挙が行われた。

議長の辞意表明を受けて議長選挙が行われた東京都議会臨時会の本会議(2025年2月10日撮影)
議長の辞意表明を受けて議長選挙が行われた東京都議会臨時会の本会議(2025年2月10日撮影)

 都議会自民党の内部調査によると、政治資金収支報告書で不記載があったのは現職、元職を含め26人にのぼり、うち6人は幹事長経験者。都議会議長を辞任した都議は、138万円の不記載が確認されていた。

 自民党は現在、都議会で第1党にある。議長ポストは代々、第1党が握ってきたが、今回の裏金事件を受けて議長ポストを、第2党の都民ファーストの会に渡す形となった。ある野党関係者は「都議会自民党の"落日"のようだ」と述べた。

 都議会自民党は、小池百合子都知事(72)が都知事選で初当選した翌年の2017年都議選で大躍進した都民ファに敗れたが、前回2021年都議選は、執念で第1党に返り咲いた。

 その都議会では6月、都議選が行われる(6月13日告示、22日投開票)。昨年の衆院選で自民党が56議席を減らした、少数与党に転落するきっかけとなった裏金事件をめぐり、自民党は今回は東京都民の審判を受けることになる。幹事長経験者の6人については、公認が見送られる。

 都議選について関係者を取材すると、「想定しづらい」「カオス」な展開になるのではないかとの声を聞いた。定数は127議席。前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(42)が立ち上げた地域政党「再生の道」は16日で候補者の公募を締め切るが、昨年の都知事選で見せた「石丸人気」をどこまで再現できるのか、という点が関心の1つだ。また、結党以来3度目の都議選となる都民ファーストの会は再度の第1党返り咲きを狙い、昨年の衆院選で躍進した国民民主党も、候補擁立を目指している。さまざまな勢力で準備作業が進む中、前述の裏金事件が表面化した自民党への逆風は避けられない、という点では、複数の関係者の見方は一致する。

 永田町でも、都議選への関心は高い。というのも、都議選で与党が敗れれば、その後の国政選挙もやはり与党は負けるという「ジンクス」があるからだ。 

 自民党関係者が最も恐れているのが16年前、2009年の都議選だ。当時は麻生太郎政権だったが、麻生氏の政権運営への批判などによる低支持率もあり、都議選で自民党は10議席減らし、公明党と合わせても過半数を下回った。20議席増やした民主党が都議会第1党になり、民主党はその2カ月後の衆院選でも圧勝。都議会で44年ぶりに第1党を失った自民党は、直後の衆院選で、政権を失った。

 当時、麻生氏が都議選の応援に回るのを取材したが、麻生氏らしいユーモアトークは少なく、定額給付金など景気対策での実績アピールに余念がなかったのを覚えている。それでも敗れた都議選の後、麻生氏は従来方針通りに衆院解散に踏み切ったが流れは引き戻せず、政権を失った。

 今回は、今のところ衆院選の予定はないが、都議選の後に参院選は必ずやってくる。都議選は「国政選挙に向けた政党の勢いをはかる指針」と聞いたことがあり、その後の石破政権への影響が避けられない戦いでもあるのだ。

 今年は都議選と参院選が重なる12年に1回の年だが、前回2013年は第2次安倍政権、その前の2001年は小泉純一郎政権で、いずれも自民党は都議選、参院選ともに圧勝した。ただ、その前の1989年はリクルート事件や消費税導入などを受けた自民党への逆風で20議席を減らし、直後の参院選も議席を減らした。この時、都議選で推薦候補を含めて告示前の約3倍の議席となったのが社会党(当時)で、直後の参院選は「山が動いた」と土井たか子委員長が語ったほどの躍進。都議選と参院選が重なる年に、もし自民党が都議選で敗れるようなことがあれば、この時以来36年ぶりで、その後の参院選にも暗雲が漂うことになりかねない。

 無党派層が多く、「風」にも影響されやすいといわれる首都東京の選挙。告示まで、もう4カ月を切っている。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。 

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2025年02月16日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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