《記者の目・01.10》:阪神大震災30年を前に 教訓は生かされたのか=高尾具成(専門記者)
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《記者の目・01.10》:阪神大震災30年を前に 教訓は生かされたのか=高尾具成(専門記者)
阪神大震災から30年になる。後の災害被災地でも孤独死や災害関連死の発生がやまない。守れる命もあったはずだ。「阪神」の教訓は十分に生かされてきたのだろうか。
震災後、兵庫県や大阪府に建設された仮設住宅では、ピーク時(1995年11月)に4万6617戸で被災者が暮らし、解消までに約5年かかった。仮設住宅での独り暮らしで、誰にもみとられず病気や自殺で死亡した「孤独死」は、兵庫県警などのまとめで230人以上に上る。
住み慣れた地域から離れた仮設住宅に高齢者や障害者らを集約した結果、支える人材が不足し、被災者が孤立するなどの課題を生んだ。孤独死の現場も取材した。部屋には布団とテレビだけ、吐血の跡の横に酒瓶が転がっていた。
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元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【記者の目】 2025年01月10日 02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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