【フジテレビ】:スポンサー離れ、米ファンドの書簡がきっかけに…「何が起こりどういう責任があったのか」
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【フジテレビ】:スポンサー離れ、米ファンドの書簡がきっかけに…「何が起こりどういう責任があったのか」
◆激震 フジテレビ〈中〉
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開催中のスイス東部・ダボス。22日、新浪剛史サントリーホールディングス(HD)社長は記者団に、タレントの中居正広さんの女性トラブルを巡るフジテレビの対応について問われ、厳しい表情を見せた。
「何が起こり、どういう責任があったか明確になっていない。早く調査をしてもらわないといけない」
会場では他の企業トップからも「社会が納得するようなことになっていない」(竹増貞信ローソン社長)などの声が相次いだ。
スポンサー(広告主)のフジテレビ離れが止まらない。港浩一社長の記者会見では説明が不十分との受け止めが広がり、サントリーなども含め少なくとも80社前後がCMを差し止めた。自動車大手の担当者は「消費者はこの問題に敏感で、お客様センターにも問い合わせが来ている。対応が遅れて不買運動になっても困る」と話す。
年末から一部で報じられた一連の問題。流れを変えたのは、フジ・メディアHDの大株主の米投資ファンド、ダルトン・インベストメンツが1月14日付で送った書簡だった。「企業統治の深刻な欠陥」を指摘し、第三者委員会の設置と調査を求めた。
これを受け、トヨタ自動車や日本生命保険がCM取りやめに動くと、雪崩を打ったように各社が続いた。大手メーカー幹部は「きっかけはダルトンの動きだ。世界で商品を売っている立場上、世界からどう見られるかは大きい」と話す。
フジ・メディアHDの議決権に占めるダルトンなど外国人株主の割合は19・99%。放送法の外資規制でテレビ局は20%未満に抑えられているが、議決権を持たない外国人株主を含めると30%を超える。「外圧」をきっかけにスポンサーが離反し、フジに対応を迫る包囲網ができた。
フジテレビの業績は苦戦が続く。2024年3月期までの10年で売上高は25%、主力のテレビCM収入は37%減った。視聴率は民放4位から抜け出せず、フジ・メディアHDは営業利益の6割を不動産などの「都市開発・観光事業」に頼る。
今春の番組改編時にスポンサーが戻らなければ、1959年の開局以来初となる通期での赤字決算も現実味を帯びる。大手広告会社によると、2月にかけて4月以降の広告契約の改定時期にあたり、影響拡大は避けられない見込みだ。
大手金融機関幹部は「責任者が退き、改善策を実施してみそぎをすまさなければCMは戻さない」と厳しい。フジOBの吉野嘉高筑紫女学園大教授(メディア論)は「外国人株主とスポンサーの双方から圧力を受け、フジは生まれ変わらないと企業として生き残れない」と指摘する。
元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース エンタメ・文化 【テレビ・企業・フジテレビ】 2025年01月24日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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