【産経抄・11.02】:ブレすぎる首相、今まで夢と理想語ればよかったが…
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄・11.02】:ブレすぎる首相、今まで夢と理想語ればよかったが…
平成6年に首相になると、それまでの自衛隊違憲論を翻し合憲論を唱えた旧社会党出身の村山富市元首相は著書、『そうじゃのう…』で理由を説明している。「政治がどう受けとめるかと考えた場合、『自衛隊が憲法違反だ』と言って、論外という扱いをしたんじゃ政治にならない」。
▼この姿勢について、政治学者の岩田温さんが月刊正論12月号でこう喝破している。「現実的には不可能な政策を嘯(うそぶ)いてきたのだ」。岩田さんは、すぐには衆院解散はしないと述べていた石破茂首相が就任前の9月30日、突如として解散を表明した瞬間に村山氏のことを思い出したという。
▼確かに首相は、年来の政策であり、自民党総裁選時に主張したアジア版NATOも日米地位協定の改定も引っ込めている。いわゆる不記載議員らを衆院選で公認するかしないかも二転三転し、金融政策の見直し(利上げ)も取り下げた。反対していたリニア中央新幹線は推進派となった。
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