路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説②】:内部通報者保護 組織自浄につなげたい

2021-11-24 05:05:08 | 【法務省・法制審議会・検察庁・地検・保護司・刑法・刑罰・死刑制度】

【社説②】:内部通報者保護 組織自浄につなげたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:内部通報者保護 組織自浄につなげたい 

 勤務先の不正を内部通報した人を守るための改正公益通報者保護法が来年6月に施行される。

 通報窓口の担当者に守秘が義務づけられるなど、不十分だった通報者保護の強化が図られる。

 これまでは通報したのが漏れ、上司から嫌がらせを受けるといった例が後を絶たなかった。

 不正は見逃せぬと意を決して行動を起こした人が冷遇されることはあってはならない。企業や行政機関などの事業者は通報を適切に受け止める体制を整え、組織の自浄につなげなければならない。

 一方、通報者に報復した事業者への行政措置は、労働団体の要望が強かったものの経営者側の反発もあって導入が見送られた。

 管轄する消費者庁は3年後の見直しも視野に、課題の洗い出しを進めてもらいたい。

 公益通報者保護法は、三菱自動車のリコール隠しや旧雪印食品の牛肉偽装などの不正が通報で明るみに出たのを受け2004年に制定され、06年に施行された。

 通報を理由とする解雇や降格などの不利益な扱いを禁じたのが柱だ。だが罰則規定がなく、通報者の保護要件も厳しいため当初から実効性が疑問視されていた。

 実際、オリンパスでは通報者が左遷され、日本郵便でも通報者の情報が漏れ、脅されるといった事例が続発し、現行法は事実上骨抜きになっていたと言っていい。

 昨年成立した改正法は、300人超の事業者に通報窓口などの体制整備を義務づけた。300人以下の中小事業者は努力義務だ。

 窓口担当者が守秘義務に反した場合は刑事罰の対象となる。

 重要なのが、組織の長や幹部から独立した体制とすることだ。

 検査不正が相次いだ三菱電機では、窓口への不信感から従業員が通報をためらっていたという。

 事業者は担当者の研修などを重ね、従業員が漏えいの不安なく通報できるようにする必要がある。

 中小事業者の負担は小さくない。重い責務に耐えられるのか不安を抱く担当者もいるだろう。

 消費者庁は改正内容の周知と丁寧な相談対応に努めるのはもちろん、持続可能な体制づくりのアイデアも提供して事業者を支えるべきだろう。経済団体は情報交換を積極的に行ってはどうか。

 内部通報を誠実に受け止め、組織改革に生かせる事業者は社会からの信頼も増すはずだ。

 その意識を官民で共有し、今度こそ実効性ある仕組みにしていくことが求められる。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年11月21日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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