路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・01.20】:阪神・淡路大震災から30年 やっと言えること、まだ言えないこと

2025-02-03 08:00:40 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・01.20】:阪神・淡路大震災から30年 やっと言えること、まだ言えないこと

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・01.20】:阪神・淡路大震災から30年 やっと言えること、まだ言えないこと 

 阪神・淡路大震災から30年。神戸・東遊園地の1・17のつどいで最初に出会った方の言葉は「震災の爪痕さえ、残っていないでしょ」。

 会場の一部にはルミナリエの美しい壁。まわりは高層ビルにタワーマンション。だけど人々の心のなかは、少し違っていた。親子4人が連れだった中の息子さんは、震災で母と弟を亡くして、この日、遺族代表の言葉を述べた長谷川元気さんの幼なじみ。「泳ぎやキャンプに行ったこと。元気な保育士だったお母さんも忘れてないよ、と伝えたくて」。

 娘さんと手をつないだ女性は「10歳のとき被災した私とこの子が同じ年になって、これから私の30年をしっかり伝えていこうと、ここに来ました」。階下で寝ていた1歳の娘と母を亡くしたという男性は「2、3年前まで取材は断ってきました。だけど孫に覆いかぶさってアザひとつ作らせずに亡くなった母のことを知ってほしくなって」。そう言って涙をあふれさせた。

 この日出演した東海テレビは地震当日、野戦病院と化した県立淡路病院の生々しい映像を初めて放送した。15分も懸命にCPR(心肺蘇生)をしても回復しない患者に、外科部長の「ストップ。次の人にかかろう」という厳しい声が医師の背中に飛ぶ。究極の命の選択、トリアージの原点ともいわれた救命救急医療の現場だ。

 このほかにも、いくつかの震災特番は兵庫県内の消防本部が生き埋め現場で「もう呼びかけに応答がありません。班は別の要請現場へ」と救急隊員が目を赤くして深々と頭を下げる映像を初めて公開していた。

 これらはいずれもご遺族への配慮から、やっといま公開に踏み切れたに違いない。

 30年たって言えること。それでもなお、心の奥底にしまっておきたいこと。

 この日朝、日経新聞のコラム、「春秋」は神戸の詩人、安水稔和さんのこんな言葉を載せていた。

 これはいつかあったこと/これはいつかあること/だからよく記憶すること-。

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「ニュース ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2025年01月20日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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