【視点・12.11】:「死刑懇話会が提言」 割れる「存廃」国会で議論を 社会部・三宅千智
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【視点・12.11】:「死刑懇話会が提言」 割れる「存廃」国会で議論を 社会部・三宅千智
死刑制度のあり方を議論する民間の懇話会が11月13日、現制度と運用について「現状のままに存続させてはならない」とする報告書をまとめた。死刑の存廃や制度のあり方を検討する公的な会議体を国会や内閣に設けるよう、委員の総意として提言した。
内閣府が5年前に行った世論調査では、「死刑もやむを得ない」は80.8%。私も問われれば「迷いもあるが、被害者や遺族の無念さを思えばやむを得ないのでは」と答えただろう。だが懇話会の取材を通じ、制度の維持と廃止の間で気持ちと考えが揺れた。
「日本の死刑制度について考える懇話会」は、死刑廃止を求める日本弁護士連合会の呼びかけで2月に発足。委員には学者や警察・検察の元トップ、犯罪被害者遺族ら16人が参加した。
制度の存廃については意見が分かれた。双方の考えを深く知りたいと思い、懇話会の座長で刑法が専門の井田良(まこと)中央大大学院教授と、委員の金高雅仁元警察庁長官に取材を申し込んだ。
井田さんは、政治の力で死刑を廃止すべきだと訴える。「日本の裁判は誤った死刑判決が出てしまうおそれを払拭していない」と指摘し、「英国のように、死刑執行後に新たな証拠が出てくるなどして間違いが分かれば、制度は維持できなくなるだろうが、最悪のシナリオだ」と述べた。
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元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【視点】 2024年12月11日 06:00:00 これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。
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