路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説①・12.13】:道の宿泊税 公平性に疑問を残した

2024-12-13 04:03:50 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【社説①・12.13】:道の宿泊税 公平性に疑問を残した

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.13】:道の宿泊税 公平性に疑問を残した

 北海道が2026年4月の導入を目指す法定外目的税「宿泊税」の条例案が、きのうの定例北海道議会で与党会派などの賛成多数で可決された。

 道の「段階的定額制」とは異なる課税方式「定率制」を導入した市町村が道税相当額を道に納付する場合、条例を適用しないとする規定を追加した。後志管内倶知安町が対象となる。
 免税規定は制度の根幹に関わる修正だ。税の原則である公平性にも疑問が残る。
 鈴木直道知事が倶知安町と制度の修正で合意したのは定例会最終盤の10日だ。本来ならば道が条例案を再提出し、一から検討し直すべき案件だが、委員会での審議は実質1日だった。「あまりに時間が少なすぎる」と指摘があったのは当然だ。
 議論を尽くしたとは到底言えないにもかかわらず、道議会が継続審査にもせず採決したのは理解しがたい。条例を多方面から検証し不断に見直すべきだ。
 土壇場の修正となり、制度は急ごしらえだ。倶知安町は宿泊税の税率を引き上げ、道へ納付する方針だ。しかし町の宿泊税は地域の魅力を高め、観光振興の施策に充てるのが目的のはずだ。道の施策のためではない。
 自治体には地方税の税率などを自主的に決定して課税できる課税自主権がある。事実上、町税の一部を移譲することは、税法上の理念とそぐわない。宿泊税導入には総務相の同意が必要だ。厳正な審査を求めたい。
 数々の問題を指摘されても、道は条例制定を急いだ。札幌市など道内約20市町村が道と同時期に宿泊税導入を予定している。道側は仮に延期すれば市町村にも影響が及ぶと説明した。
 観光は北海道の基幹産業だ。裾野は広い。振興には安定財源も必要だろう。
 北海道観光機構は宿泊税の早期導入を求めていた。ただ、税の使途は国内外の富裕層を誘客する施策が目立つ。客単価を高めたい観光業界の意向が強く働いたと見ることもできる。
 しかし、新税は一般道民や観光客以外にも負担を強いる以上、業界だけでなく、全ての市町村や宿泊客が納得できる制度とする必要がある。
 そもそも、道の進め方に問題があった。複数の市は、道と市町村が一緒に新税を検討すべきだと訴えたが、道は取り合わず、宿泊税を導入する市町村は道税に上乗せするよう求めた。
 
 結果、市町村ごとに税額などはまちまちとなった。簡素な税制からは程遠い。宿泊客は戸惑うだろう。道の調整力と政策立案能力を疑わざるを得ない。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月13日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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