路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.03】:ロシアの侵攻から3年 私たちがウクライナになすべきことは何なのか

2025-03-04 07:35:50 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.03】:ロシアの侵攻から3年 私たちがウクライナになすべきことは何なのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.03】:ロシアの侵攻から3年 私たちがウクライナになすべきことは何なのか 

 「昨年末の岡崎のチャリティーコンサートは300人収容の会場で、客はたった8人でした」。男性は東海テレビの取材に答えて肩を落とした。

 ロシアのウクライナ侵攻から3年がたった。この間、ウクライナでは子どもを含めて1万2600人の民間人が亡くなり、その戦火を逃れて1月現在2747人が日本に避難してきている。

 だが、こうした避難民を支援してきた日本ウクライナ協会のナターリヤさんによると、侵攻当初とは様変わり。以前は支援物資であふれた事務所の棚は隙間が目立つ。ナターリヤさんは「ガザ地区の問題。それに能登半島地震も起きて仕方ないよね」とつぶやく。

 だけど、それ以上に避難民の心を暗くしているのは祖国を取り巻く情勢だ。3年前、長女と長男を連れて避難してきたカテリーナさんもその1人。その後、夫も合流して次男が生まれた。だがロシア軍に占領された故郷ハルキウどころか、ウクライナそのものが危うい。

 トランプ米大統領は就任直後からロシアにすり寄り、ウクライナ抜きの頭越し外交。ゼレンスキー大統領に退陣を迫り、「プーチンが望めばウクライナ全土の占領もできる」とどう喝する。

 その一方で支援打ち切りを恐れる弱みにつけ込んで、レアアースなどウクライナの豊かな鉱物資源を開発させろと迫る。こんな暴挙があっていいのか。大国による恐喝事件ではないのか。

 日本で生まれた次男に歯が生えてきたというカテリーナさんは、この子たちの将来はどうなるのか、スマホで祖国の友人と連絡を取り合う日々が続く。

 情けないのは私たちの国だ。暴挙、暴走の米大統領の前でお追従を並べ、日米地位協定もウクライナ問題も持ち出せずに帰ってきた。そんな首相をいさめるどころか、国会もメディアも初会談は大成功と持ち上げる。

 はっきりさせておきたい。私たちがウクライナになすべきことは、チャリティーコンサート会場を埋めることではなくなっているのだ。

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「ニュース ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2025年03月03日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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