【発表!】:2024年読者が選んだ日本10大ニュース
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【発表!】:2024年読者が選んだ日本10大ニュース
【1位】石川・能登で震度7
石川県能登地方を震源とするマグニチュード7・6の地震が1月1日午後4時10分、発生した。輪島市、志賀町では震度7、七尾市や珠洲市、穴水町、能登町でも震度6強を観測。気象庁は2011年の東日本大震災以来となる大津波警報を発表し、石川、富山、新潟、山形各県など広い範囲に津波が到達した。
12月17日までの集計で、この地震による直接死は228人、避難生活のストレスなどによる関連死は石川県で241人。富山、新潟両県での関連死を含め、地震による死者は計475人に上った。死者数は、平成以降の自然災害では東日本大震災、1995年の阪神大震災に次いで3番目の多さとなった。
輪島市や珠洲市は、県庁所在地の金沢市から100キロ・メートル以上離れていて、小さな集落が山あいに点在しているため、集落につながる道路が土砂崩れなどでふさがれて一時、救助や支援の手が届かない「陸の孤島」となった。
地震による断層のずれに伴い、能登半島北部の沿岸を中心に、「数千年に一度」とも言われる大規模な隆起も発生した。国土地理院の解析によると、隆起の高さは、輪島市の一部で4メートルに達し、海岸線も約90キロ・メートルの範囲で、最大約240メートル海側にせり出した。その影響で、港湾施設などに被害が出た。
地震後に大規模火災が発生した輪島市の朝市通り周辺では260棟以上が焼失した。「輪島朝市」は通りの漆器店や土産物店に加えて、海産物などの露店も並び、奥能登を代表する観光名所で、被災した建物の公費解体などが進められている。店主有志らは全国で「出張朝市」を開いた。
【2位】大谷 初の「50―50」
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手が9月19日、メジャー史上初の「50本塁打、50盗塁」を達成した。ナショナル・リーグの本塁打王と打点王の2冠に加え、最優秀選手(MVP)にも選出されるなど圧倒的な輝きを放った。
昨年12月、長くプレーしたエンゼルスから10年総額7億ドル(当時約1015億円)の大型契約でドジャースに移籍。右肘手術の影響で投打「二刀流」は封印となったが、「走・打」で実力を発揮した。
今季は打率3割1分、54本塁打、130打点、59盗塁を記録し、2年連続の本塁打王、日本人初の打点王となった。
ドジャースはナ・リーグ王者としてワールドシリーズ(WS)に進出し、アメリカン・リーグを制したヤンキースと対戦。大谷選手は、第2戦で左肩を負傷しながらも第3戦以降も1番指名打者で出場し、チームはヤンキースを破って4年ぶりのWS制覇を果たした。
11月21日には、「満票」でナ・リーグMVPに選ばれた。ア・リーグでの2021、23年に続き、2年連続3度目のMVP。シーズンを通して主に指名打者として出場した選手では初めての選出となった。受賞が決まり大谷選手は、「皆さんに評価してもらって光栄というか、すごくうれしい気持ち。(満票は)来年以降も頑張りたいという気持ちにさせてくれた」と語った。
ドジャースは来年3月18、19日に東京ドームでカブスと対戦する。
【3位】パリ五輪メダル 日本45個
第33回夏季五輪パリ大会が7月26日に開幕し、8月11日まで17日間にわたって熱戦が繰り広げられた。日本は海外開催の夏季五輪で過去最多となるメダル45個(金20、銀12、銅13)を獲得した。国・地域別の金メダル数では米国、中国の40個に次ぐ3位で、総数でも6位だった。
開会式はセーヌ川とその周辺で行われ、閉会式には米俳優トム・クルーズさんが登場し、五輪旗を受け取った。32競技329種目に約1万1000人が出場し、日本選手団も海外開催の夏季五輪では最多となる約400人が出場した。
陸上女子やり投げで北口 榛花 選手が優勝。日本女子がマラソン以外の陸上種目で金メダルを初めて取った。体操男子の団体総合決勝で、日本は最終種目の鉄棒で中国を逆転して優勝。岡慎之助選手は個人総合、種目別鉄棒でも金を獲得した。また、馬術は総合馬術団体で92年ぶりのメダルとなる銅を獲得し、選手らは平均年齢が40歳を超える自分たちを「初老ジャパン」と呼んで話題となった。
【4位】新紙幣 20年ぶり
日本銀行は7月3日、20年ぶりとなる新紙幣の発行を始めた。肖像は、1万円札に日本資本主義の父といわれる実業家の渋沢栄一、5千円札には女子高等教育の先駆者の津田梅子、千円札には細菌学者の北里柴三郎が採用された。
1万円札の肖像が変わったのは、1984年に聖徳太子から福沢諭吉になって以来、40年ぶり。裏には東京駅の丸の内駅舎が描かれた。
新たなお札の「顔」になった人たちのゆかりの地では、カウントダウンイベントが開かれるなど「新紙幣フィーバー」に沸いた。
新紙幣は、偽造を防ぐため、傾けると肖像が立体的に動いて見える「3Dホログラム」を世界で初めて採用。額面の数字を大きくし、触って種類が識別できるマークを紙幣の種類によって違う位置に配置するなど、誰もが使いやすいユニバーサルデザインも目指した。
→ 記事はこちら
【5位】闇バイト強盗 続発
8月以降、東京、千葉、埼玉、神奈川を中心に「闇バイト」による強盗事件が20件以上発生した。10月15日には横浜市の住宅で、70歳代男性が室内に押し入ってきた男らに暴行を受けて死亡、現金約20万円などが奪われた。
一連の強盗事件の実行役らの大半が「X(旧ツイッター)」などSNSでの募集に応じ、事件に加担していた。逮捕された実行役や現金回収役らは約50人に上り、その約8割は10~20歳代だった。
警察庁は、SNSで闇バイトについて検索した人に注意喚起の広告を配信するほか、実行役らのスマートフォンの解析を強化する緊急対策を明らかにしている。
【6位】衆院選 与党過半数割れ
第50回衆院選が10月27日投開票され、自民党は「政治とカネ」の問題を受けて大敗し、公明党を合わせた与党で総定数465の過半数(233議席)に届かず、少数与党に転落した。
与党の獲得議席数は、自民党191、公明党24の計215。自民党は選挙戦終盤に、政治資金問題を巡って非公認となった候補が代表を務める党支部に対しても、党本部が2000万円を支出したことが判明し、批判を招いた。
野党は明暗が分かれた。立憲民主党は公示前から50議席増の148議席と伸長し、国民民主党も公示前の7議席から4倍となる28議席を獲得した。日本維新の会は6議席減の38議席だった。
【7位】自民新総裁に石破氏
自民党総裁選が9月27日、投開票され、元幹事長の石破茂氏が第28代総裁に選ばれた。
8月に退陣を表明した岸田文雄首相の後継を巡り、立候補に推薦人が必要となった1972年以降で最多となる9人が出馬。石破氏は1回目の投票では2位だったが、決選投票で高市早苗経済安全保障相を破り、逆転勝利した。
10月1日の国会で第102代首相に指名され、石破内閣が発足した。発足直後に読売新聞社が実施した緊急全国世論調査では、内閣支持率が51%と、内閣発足時の調査としては岸田内閣(2021年10月)の56%よりも低かった。
【8位】日航機・海保機 羽田で衝突
1月2日午後5時47分頃、東京都大田区の羽田空港で、新千歳(北海道)発羽田行き日本航空516便(エアバスA350―900型機、乗客乗員379人)と、海上保安庁羽田航空基地所属の「みずなぎ1号」(ボンバルディアDHC8型機、乗員6人)が滑走路上で衝突、炎上した。日航機側は全員脱出したが、海保機は機長を除く5人が死亡した。
管制官は海保機側に出発順1番を意味する「ナンバーワン」と伝えて「滑走路手前の停止位置まで走行せよ」と指示したが、海保機は滑走路へ進入し、着陸してきた日航機と衝突した。
海保機は能登半島地震の被災地に支援物資を届けるため、新潟空港へ向かう予定だった。
事故を受け10月には、滑走路誤進入や誤出発を防ぐ「滑走路状態表示灯(RWSL)」の新設工事が始まった。
【9位】ノーベル平和賞 被団協が受賞
ノルウェーのノーベル賞委員会は10月11日、2024年のノーベル平和賞を、被爆者団体の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」に授与すると発表した。広島、長崎の被爆体験の伝承などを通じて核兵器の廃絶を訴え続けてきたことが高く評価された。
12月10日には、代表団がノルウェーのオスロで開かれた授賞式に出席。長崎で被爆した田中 熙巳 代表委員が講演し、核兵器廃絶を改めて訴えた。日本からの平和賞受賞は、非核三原則を提唱した1974年の佐藤栄作元首相以来で2例目。
→ 記事はこちら
【10位】「紅麹」サプリで健康被害
小林製薬は3月22日、 米麹 の一種である紅麹の成分を配合したサプリメントを摂取した人が腎臓の病気になったとして、「紅麹コレステヘルプ」など3種類の製品を自主回収すると発表した。
厚生労働省は9月、原料から検出された青カビ由来の「プベルル酸」が、腎障害を引き起こした原因物質だと特定したと発表。サプリ摂取との関連が疑われる死者は100人を超えた。
◆1~30位ニュース一覧
1位 石川・能登で震度7、津波被害 24,046(97.5%)
2位 大谷翔平、米大リーグ初「50‐50」 20,668(83.8%)
3位 パリ五輪、日本は海外最多メダル45個 14,657(59.4%)
4位 日本銀行、20年ぶりに新紙幣発行 14,577(59.1%)
5位 闇バイト強盗相次ぐ 10,374(42.0%)
6位 衆院選で与党過半数割れ 10,262(41.6%)
7位 自民党総裁に石破氏、首相に就任 10,226(41.4%)
8位 日航機と海保機が羽田で衝突、炎上 10,086(40.9%)
9位 ノーベル平和賞に被団協 9,659(39.1%)
10位 「紅麹」サプリで健康被害、自主回収 9,148(37.1%)
11位 猛暑、夏の平均気温が過去最高タイ 8,470(34.3%)
12位 円安、34年ぶり1ドル160円台 7,463(30.2%)
13位 日経平均株価がバブル期超え 6,108(24.8%)
14位 内部告発問題で失職の兵庫県知事が再選 5,583(22.6%)
15位 「南海トラフ地震臨時情報」初発表 5,499(22.3%)
16位 静岡地裁、袴田巌さんに再審無罪 4,917(19.9%)
17位 自民、派閥の政治資金問題で39人処分 4,843(19.6%)
18位 能登半島地震の被災地で記録的大雨 4,738(19.2%)
19位 漫画家の鳥山明さん死去 4,687(19.0%)
20位 岸田首相が退陣表明 4,035(16.4%)
21位 日本の探査機、月に初着陸 3,838(15.6%)
22位 政治資金問題で安倍派議員逮捕 3,823(15.5%)
23位 DeNA26年ぶり日本一 3,644(14.8%)
24位 日銀、マイナス金利解除 3,596(14.6%)
25位 北陸新幹線、金沢―敦賀間延伸開業 3,481(14.1%)
26位 世界的指揮者の小沢征爾さん死去 2,652(10.7%)
27位 俳優の西田敏行さん死去 2,608(10.6%)
28位 名目GDP、世界4位に転落 2,558(10.4%)
29位 「佐渡島の金山」が世界文化遺産に 2,547(10.3%)
30位 H3ロケット打ち上げ成功 2,302(9.3%)
(数字は得票数。カッコ内は有効投票に占める割合)
◆過去5年トップ3
■2023年
〈1〉WBC、日本が14年ぶり優勝
〈2〉大谷翔平、米大リーグで本塁打王
〈3〉ジャニーズ事務所、性加害認め謝罪
■2022年
〈1〉安倍元首相が撃たれ死亡、9月に国葬
〈2〉サッカーW杯で日本代表熱戦
〈3〉知床観光船沈没事故
■2021年
〈1〉大谷翔平、メジャーMVPに
〈2〉東京五輪、日本は史上最多58メダル
〈3〉新型コロナワクチン接種開始
■2020年
〈1〉新型コロナ感染拡大、緊急事態宣言発令
〈2〉東京五輪・パラリンピックが延期に
〈3〉菅首相誕生、新内閣が発足
■2019年
〈1〉天皇陛下が即位。「令和」に改元
〈2〉ラグビーW杯日本大会開幕、日本8強
〈3〉京都アニメーション放火、36人死亡
◆10項目的中3人
2024年の「日本10大ニュース」には11月26日~12月12日の募集期間に2万6075通の投票があり、うち有効は2万4675通でした(読売新聞オンラインの「よみぽランド」からは1万6163通)。
全57項目のうち、上位10項目を順位に関係なくすべて的中させたのは3通。3人に賞金を贈ります。また、9項目的中者の中から抽選で100人に図書カードを贈ります。
◆投票19歳以下19%
有効投票の年代別構成比をみると、70歳以上が31%で最も多く、60歳代の25%、19歳以下の19%、50歳代の16%などが続いた。
読売新聞社が小中高校の教職員向けに新聞記事を使った教材を配信する「読売ワークシート通信」の活用校を含め、全国87の小中高校などから計4574通の投票があった。読売中高生新聞12月27日号に10代が選んだ10大ニュースの結果を掲載予定。
※文中と写真の日付は現地時間、肩書は当時
元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社会 【話題・2024年読者が選ぶ10大ニュース】 2024年12月19日 05:20:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます