今日のタイトルは、「練習しないで上達する 導入期のピアノ指導」(呉 暁)からとった。
この言葉の趣旨は、
・「こういう音を出したい」という意欲があり、
・自分が出している音をよく聴く耳を持っていること
がテクニックを育てる条件だということ。無味乾燥なハノンやツェルニーを、頭カラッポにして決められた時間どおり体育会系に取り組むことが大事なのではない、ということだ。
この本の内容はとても共感できるものが多く、またろうのピアノにも通じる部分があるが、この本で奨める指導法の大半はむしろまたろうピアノとは違う。
導入期にはリズム遊びその他、子どもが飽きないような短く区切ったゲーム感覚の練習でつなぎ、ソルフェージュを重視して、子どもが自主的に練習しない限り家での練習を求めない。週一度、レッスン30分の範囲内で練習して弾ける程度の短くシンプルなものをどんどんやって、完璧でなくてもどんどん○して進めてしまう。
子どもが小学生になり、徐々に進んできても、本人が練習してつまらないようなエチュード類は与えず、「曲だけでもテクニックはつく」という考え方のもとで、「ピュイグ=ロジェピアノ教本」「ミクロコスモス」やバッハを活用していく。併行して、本人がどうしても弾きたいと思うような、ちょっと難しい曲にも取り組んでいく。
すると、長らく練習なしにレッスンだけ通っていた子どもたち、その後もツェルニーのひとつもやったこともない子どもたちが、中学生・高校生になるとバッハ・ショパン・ラベル・ドビュッシーなどなど、音楽的に弾けるように次々育っていくというのである。
古典的(?)な教材系統と練習方法しか見たことのない人がこの本をいきなり読んでも、いまいちぴんとこないかもしれない。でも、私はこの本を読んですんなりと、「そうだろうな」と思った。またろうたちを教えているピアノの先生の発表会に行くと、わりとこんな感じだからだ。
中学生、高校生、もうレッスンには来てないけど発表会のときだけ現れる大学生。男の子率が妙に高いのも特徴だ。つまんないエチュード類を一切拒否って大きくなった子たちが、説得力のある演奏を次々披露してくれる。いまどきの曲も、クラシックも、両方こなす。
またろうの場合、この本が提唱する指導体系の中で、幼児期から小学校低学年に身につけるべき基礎(主にソルフェージュによって培われた読譜力)がすっぽり抜け落ちているのだから話にならない。本人が興味を示さないこととも相まって、今後もクラシックが弾けるようになることはないだろう。
しかしこの本の中でこんな一節もある。
---
もちろん楽譜が読めないと自分で新しい曲を弾くことができないので、読めたほうがいいにきまっています。しかしその一方で、耳だけで知っているメロディーを探り弾きして伴奏づけをして楽しむという弾き方もあるのです。極端な話ですが、楽譜が読めなければ、鍵盤に向かってそういう遊びだけをやらせてピアノを弾けるようにする道もあるわけです。
---(太字はアンダンテによる)
…またろうだよ(-_-;;
この著者もそうだけど、またろうたちを教えているピアノの先生も、とことん柔軟な人だと思う。レッスンはこうあるべき、子どもはこうあるべき、既存の路線だけでレッスンができたらどんなに先生は楽だろうか。またろうの先生は、子どもがどうしようもなくそこからはみ出したときに、目の前の子どもの状態のほうを重視して、どんどんあの手この手で別の方法を工夫してくる。
現在、またろうのピアノについては何の心配もしていない。このまま、自分の必要に応じて、ピアノと仲良く暮らしていくであろう。こじろうは、中学に入ってピアノをやめてしまったし、はなひめは相変わらずレッスンのときしか練習しないピアノを続けているけど、これまた別に私は心配していない。何かのきっかけで自分がその気になったら、ピアノまたはピアノ以外で音楽を楽しむことはできるはず。その材料(と環境)はもう渡した。
この本の中で、著者は大人のピアノについても触れている。猛烈に忙しい生活の中で、少しでもピアノが弾きたくて、でもまずはハノン(チェルニー)を弾かなくちゃ、とやっているとそれだけで弾ける時間が終わってしまう。
---
これでは悲しすぎます。一番大切なことは、どんな曲が好きで、何のためにピアノを弾いているかということです。指が動くかどうかは、二の次なのです。ピアノ科を出た人には「反復練習」「指の訓練」といったイメージを捨てるのが難しいでしょうが、指が動かないにしても、一番弾きたい曲を最初に弾きましょう。そのようにして30分弾く日が続くと、自然に指が動くようになるのです。
---
これは、私が、ばっかいず世話係さんや、るんちゃんママさんに口をすっぱくして説得してきたことと同じだ。「10分しかないのにハノンから弾いてたら終わっちゃうよ!!」…まず弾きたい曲を弾く。時間があったらハノンもやっていいけど(でもあとでね)。ばっかいず世話係さんや、るんちゃんママさん、ゆかりしょう5ままさんたちなんか、私よりはるかに確かなピアノの基礎をお持ちなのに、それをただ眠らせていたらもったいない。
最近は、子どもを出すだけじゃなくてちゃんと自分でもホームコンサートで演奏してくれるようになって…ふふふ、布教活動成功!!(^-^)v まだまだいきまっせ!!
この言葉の趣旨は、
・「こういう音を出したい」という意欲があり、
・自分が出している音をよく聴く耳を持っていること
がテクニックを育てる条件だということ。無味乾燥なハノンやツェルニーを、頭カラッポにして決められた時間どおり体育会系に取り組むことが大事なのではない、ということだ。
この本の内容はとても共感できるものが多く、またろうのピアノにも通じる部分があるが、この本で奨める指導法の大半はむしろまたろうピアノとは違う。
導入期にはリズム遊びその他、子どもが飽きないような短く区切ったゲーム感覚の練習でつなぎ、ソルフェージュを重視して、子どもが自主的に練習しない限り家での練習を求めない。週一度、レッスン30分の範囲内で練習して弾ける程度の短くシンプルなものをどんどんやって、完璧でなくてもどんどん○して進めてしまう。
子どもが小学生になり、徐々に進んできても、本人が練習してつまらないようなエチュード類は与えず、「曲だけでもテクニックはつく」という考え方のもとで、「ピュイグ=ロジェピアノ教本」「ミクロコスモス」やバッハを活用していく。併行して、本人がどうしても弾きたいと思うような、ちょっと難しい曲にも取り組んでいく。
すると、長らく練習なしにレッスンだけ通っていた子どもたち、その後もツェルニーのひとつもやったこともない子どもたちが、中学生・高校生になるとバッハ・ショパン・ラベル・ドビュッシーなどなど、音楽的に弾けるように次々育っていくというのである。
古典的(?)な教材系統と練習方法しか見たことのない人がこの本をいきなり読んでも、いまいちぴんとこないかもしれない。でも、私はこの本を読んですんなりと、「そうだろうな」と思った。またろうたちを教えているピアノの先生の発表会に行くと、わりとこんな感じだからだ。
中学生、高校生、もうレッスンには来てないけど発表会のときだけ現れる大学生。男の子率が妙に高いのも特徴だ。つまんないエチュード類を一切拒否って大きくなった子たちが、説得力のある演奏を次々披露してくれる。いまどきの曲も、クラシックも、両方こなす。
またろうの場合、この本が提唱する指導体系の中で、幼児期から小学校低学年に身につけるべき基礎(主にソルフェージュによって培われた読譜力)がすっぽり抜け落ちているのだから話にならない。本人が興味を示さないこととも相まって、今後もクラシックが弾けるようになることはないだろう。
しかしこの本の中でこんな一節もある。
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もちろん楽譜が読めないと自分で新しい曲を弾くことができないので、読めたほうがいいにきまっています。しかしその一方で、耳だけで知っているメロディーを探り弾きして伴奏づけをして楽しむという弾き方もあるのです。極端な話ですが、楽譜が読めなければ、鍵盤に向かってそういう遊びだけをやらせてピアノを弾けるようにする道もあるわけです。
---(太字はアンダンテによる)
…またろうだよ(-_-;;
この著者もそうだけど、またろうたちを教えているピアノの先生も、とことん柔軟な人だと思う。レッスンはこうあるべき、子どもはこうあるべき、既存の路線だけでレッスンができたらどんなに先生は楽だろうか。またろうの先生は、子どもがどうしようもなくそこからはみ出したときに、目の前の子どもの状態のほうを重視して、どんどんあの手この手で別の方法を工夫してくる。
現在、またろうのピアノについては何の心配もしていない。このまま、自分の必要に応じて、ピアノと仲良く暮らしていくであろう。こじろうは、中学に入ってピアノをやめてしまったし、はなひめは相変わらずレッスンのときしか練習しないピアノを続けているけど、これまた別に私は心配していない。何かのきっかけで自分がその気になったら、ピアノまたはピアノ以外で音楽を楽しむことはできるはず。その材料(と環境)はもう渡した。
この本の中で、著者は大人のピアノについても触れている。猛烈に忙しい生活の中で、少しでもピアノが弾きたくて、でもまずはハノン(チェルニー)を弾かなくちゃ、とやっているとそれだけで弾ける時間が終わってしまう。
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これでは悲しすぎます。一番大切なことは、どんな曲が好きで、何のためにピアノを弾いているかということです。指が動くかどうかは、二の次なのです。ピアノ科を出た人には「反復練習」「指の訓練」といったイメージを捨てるのが難しいでしょうが、指が動かないにしても、一番弾きたい曲を最初に弾きましょう。そのようにして30分弾く日が続くと、自然に指が動くようになるのです。
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これは、私が、ばっかいず世話係さんや、るんちゃんママさんに口をすっぱくして説得してきたことと同じだ。「10分しかないのにハノンから弾いてたら終わっちゃうよ!!」…まず弾きたい曲を弾く。時間があったらハノンもやっていいけど(でもあとでね)。ばっかいず世話係さんや、るんちゃんママさん、ゆかりしょう5ままさんたちなんか、私よりはるかに確かなピアノの基礎をお持ちなのに、それをただ眠らせていたらもったいない。
最近は、子どもを出すだけじゃなくてちゃんと自分でもホームコンサートで演奏してくれるようになって…ふふふ、布教活動成功!!(^-^)v まだまだいきまっせ!!