「僕はいかにして指揮者になったのか」(佐渡裕)は帰りののぞみの中で読みました。
←指揮者の第一条件は、人そのものの存在感!?
一気に読んじゃった。ふだん、こんなに続けて読書の時間をとることってないので、一冊の本を中断無く読めちゃうのって新鮮。
佐渡さんは指揮科を卒業したのではなくて、音大ではフルート科で勉強している。
それが、大学三年のときにやはり指揮者になりたいと思うようになり、ある人(宗教系ではないようだが心に沁みる人生訓を語ってくれるという謎の師)に「指揮科に転科しようと思う」と相談をした。すると、その人はしばしトランス状態に入り(!)それからふつうの声で言った。
「僕は音楽のことはぜんぜんわからない。でも指揮者というのは、どうも音楽の世界のことだけではないみたいだ。人間がどうあるべきかを勉強しなければいけないと言っている」
「誰が言ってはるんですか?」と聞くと、
「君の後ろにいる人ですよ」
なんでも佐渡さんには、燕尾服を着て指揮棒を持った指導霊!?がついていて、その霊が言うには、指揮者になるためには、音楽だけではなく、絵も見て、本も読んで、幅広く勉強しなければならない。いろんなことを知っている人が本当にいい指揮者になるので、まずはフルートで卒業しなさい。そこで一生懸命勉強して卒業したら、それはそれで役に立つと。
そんなわけで、フルートの勉強を続けながら、指揮の勉強も独学中心で頑張っていったんだけど、なんか似てませんかこの話。そう、のだめカンタービレの千秋くんですね。
たぶん、この話はのだめを描くとき参考にされていると思います。佐渡さんは「ブザンソン」という指揮者コンクールに出ることになるんですけど、この二次審査が間違い探しなんですね。控え室は「僕は三つ見つけた」みたいな話でもちきりなんだけど、佐渡さんは「指揮者として、オーケストラの間違いを探すのがそんなに大事なことなんだろうか」と疑問に思い始めた。
誰でも間違いを指摘されればカチンと来るものだし、オケはプライドの高いプロ集団である。となれば、間違いを指摘するにしても、その伝え方が問題になるのではないか。
それで、「僕は間違い探しをしに来たんやないし、これでオーケストラで振るという最初の目的は達成できるんやし。だったら持ち時間を楽しく過ごした方がトクや」と腹をくくった。
そこからは、まず一回目に通すとき、間違いを指摘するにも、「今シャープが落ちてるから半音上げて、もっと明るいムードにしてくれ」「今ティンパニがなかったけれど、次のときはものすごく大きく叩いてくれ」という具合に、間違い探し以外の、どう演奏したいか伝えて音楽を創る作業の一環として組み入れていった。
するとだんだん、ムードが良くなって、二度目には間違いも直って非常に気持ちよく振ることができた(オケも気分良かっただろう)。
しかし最後に落とし穴。最後の二小節を耳にした瞬間、「何かが違う」と気づく。そしてゆっくりその二小節をやり直ししてもらい、「セカンド・クラリネットとセカンド・オーボエが逆」という非常にわかりにくい間違いに気づく。
聴衆も大喜び、審査員も驚き、ブラヴォー!! の嵐。
オケを味方につけた指揮者は強い。
ここから、新曲がつかめずぐだくだになってオケを振り回してしまう「挫折」を経て、結局優勝するまでのドラマはほんとに圧巻。のだめのストーリーはこれの引き写しではないけれど、たぶんいろいろ分解してコヤシにされたに違いない。
ともかく、のだめファンであってもなくても、楽しめる本です。それにしても、これを読むとつくづく思うのが、「こんなに濃いぃキャラじゃないと指揮者ってできないんだ!?」ということ(^^;;
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一気に読んじゃった。ふだん、こんなに続けて読書の時間をとることってないので、一冊の本を中断無く読めちゃうのって新鮮。
佐渡さんは指揮科を卒業したのではなくて、音大ではフルート科で勉強している。
それが、大学三年のときにやはり指揮者になりたいと思うようになり、ある人(宗教系ではないようだが心に沁みる人生訓を語ってくれるという謎の師)に「指揮科に転科しようと思う」と相談をした。すると、その人はしばしトランス状態に入り(!)それからふつうの声で言った。
「僕は音楽のことはぜんぜんわからない。でも指揮者というのは、どうも音楽の世界のことだけではないみたいだ。人間がどうあるべきかを勉強しなければいけないと言っている」
「誰が言ってはるんですか?」と聞くと、
「君の後ろにいる人ですよ」
なんでも佐渡さんには、燕尾服を着て指揮棒を持った指導霊!?がついていて、その霊が言うには、指揮者になるためには、音楽だけではなく、絵も見て、本も読んで、幅広く勉強しなければならない。いろんなことを知っている人が本当にいい指揮者になるので、まずはフルートで卒業しなさい。そこで一生懸命勉強して卒業したら、それはそれで役に立つと。
そんなわけで、フルートの勉強を続けながら、指揮の勉強も独学中心で頑張っていったんだけど、なんか似てませんかこの話。そう、のだめカンタービレの千秋くんですね。
たぶん、この話はのだめを描くとき参考にされていると思います。佐渡さんは「ブザンソン」という指揮者コンクールに出ることになるんですけど、この二次審査が間違い探しなんですね。控え室は「僕は三つ見つけた」みたいな話でもちきりなんだけど、佐渡さんは「指揮者として、オーケストラの間違いを探すのがそんなに大事なことなんだろうか」と疑問に思い始めた。
誰でも間違いを指摘されればカチンと来るものだし、オケはプライドの高いプロ集団である。となれば、間違いを指摘するにしても、その伝え方が問題になるのではないか。
それで、「僕は間違い探しをしに来たんやないし、これでオーケストラで振るという最初の目的は達成できるんやし。だったら持ち時間を楽しく過ごした方がトクや」と腹をくくった。
そこからは、まず一回目に通すとき、間違いを指摘するにも、「今シャープが落ちてるから半音上げて、もっと明るいムードにしてくれ」「今ティンパニがなかったけれど、次のときはものすごく大きく叩いてくれ」という具合に、間違い探し以外の、どう演奏したいか伝えて音楽を創る作業の一環として組み入れていった。
するとだんだん、ムードが良くなって、二度目には間違いも直って非常に気持ちよく振ることができた(オケも気分良かっただろう)。
しかし最後に落とし穴。最後の二小節を耳にした瞬間、「何かが違う」と気づく。そしてゆっくりその二小節をやり直ししてもらい、「セカンド・クラリネットとセカンド・オーボエが逆」という非常にわかりにくい間違いに気づく。
聴衆も大喜び、審査員も驚き、ブラヴォー!! の嵐。
オケを味方につけた指揮者は強い。
ここから、新曲がつかめずぐだくだになってオケを振り回してしまう「挫折」を経て、結局優勝するまでのドラマはほんとに圧巻。のだめのストーリーはこれの引き写しではないけれど、たぶんいろいろ分解してコヤシにされたに違いない。
ともかく、のだめファンであってもなくても、楽しめる本です。それにしても、これを読むとつくづく思うのが、「こんなに濃いぃキャラじゃないと指揮者ってできないんだ!?」ということ(^^;;
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