昨日は書道レッスンに行ったのですが、行くと必ず(活きのいい)本屋に寄るのがセットで、そうするとどうしても「いらん本」を買ってしまう。
←その本屋に入るとすぐにいらない本が私を呼ぶ
ということで昨日の収穫
「ただいま収蔵品整理中 学芸員さんの細かすぎる日常」
…いやまったく予想もしなかった本です(いつもそう…)
郷土資料館って、つまり古いものがたくさん陳列してあるというイメージですが、その裏には陳列(場所に限りがある)に至らないモノがものすごくたくさんあるわけで、たとえばなんか古そうなものをまとめて寄付されたという場合は、それをいちいちキレイにして記録してさらにメンテしていかないといけない。
この漫画は、そういうたいへん地味で持続力を必要とする作業をたんたんと行っている人たちの「日常」を描いたもの(らしい)。漫画の主人公は、大学で考古学を学び漫画家を目指している(けど売れていない)、資料館へバイトに来た人ということになってるけどたぶん作者本人的な人物。要するに古いものの扱い方がわかっていて、正確な絵も描けるという人ね。
その他、怪力な人とか害虫に詳しい人とか個性的な面々が出てくる…まぁ、アマチュアピアノ界にいるとたいがい変人の巣窟だなと思うわけですが、たぶんその比でなく変人率は高いだろう(勝手な想像です)。
様々な資料を保管するには、もちろん害虫に食い荒らされてはいけないので、外からの侵入経路をふさいだうえで、燻蒸する。でも文化財燻蒸に便利だった「臭化メチル」が2004年で生産・使用禁止になりエラく面倒なことに。今では、それ以外の禁止されていないガスを用途に応じて使い分けつつ、「IPM(総合的有害生物管理)」の考え方できめ細やかに気長に対応するようになってきている。
漫画では、害虫にめっちゃ詳しくてGも手づかみできちゃう女子が出てくる。実物を見た場合はもちろん、抜け殻や食い跡やフンやそんなものからもパパッと虫の区別をつけちゃう。漫画では主人公と別人になっているけど、実はこちらも筆者っぽい人格らしい(筆者は博物館学芸員と文化財虫菌害防除作業主任者の資格を持っている)。
細かいパラパラしたものが、虫の抜け殻なのか繊維片なのかよくわからんってときには、デジカメの接写機能を使ってさっと拡大して確認する。今どきはルーペで見るだけじゃなくそんな手もあるのですね。そのまま記録もできて便利。
そうやって近年、便利になっている部分もないではないけど、基本、やることはアナログで、例えば古い農具はまずステンシルブラシの先端を切って平らにしたもので錆をこそげ落とし、ハケで払い、椿油を使って表面を保護。塗りすぎたときはキッチンペーパーで押し拭き。「10年後には朽ちるものを100年後に延ばす それが金属保存よ」
様々な形のものを大量に「ちゃんと何がどこにあるか」わかるように保管するというのも気が遠くなる作業。詳しい記録を書いたカード(大)と最低限のことを書いたタグ(小)を作ってタグは実物につけておく。収蔵庫の棚に番号をつけて、各段に枝番を振り、各段に収める資料の名称と収蔵番号をメモして、コンテナに貼り付け…これらの情報を電子化してデータベースを作り、タグにはバーコードとかで管理すればよさそうだが「そんな予算はない」とかあるいは「システムにしちゃうとそれが使えなくなったときに本気でヤバい」とかでなかなか手書きの世界は続くようだ。
家の中にある、ふだん使うものですら何がどこにあるかわからなくなる雑な人にはとても務まらない。私は漫画読むだけにしときます。
王義之「蘭亭序」まだまだ続く
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
←その本屋に入るとすぐにいらない本が私を呼ぶ
ということで昨日の収穫
「ただいま収蔵品整理中 学芸員さんの細かすぎる日常」
…いやまったく予想もしなかった本です(いつもそう…)
郷土資料館って、つまり古いものがたくさん陳列してあるというイメージですが、その裏には陳列(場所に限りがある)に至らないモノがものすごくたくさんあるわけで、たとえばなんか古そうなものをまとめて寄付されたという場合は、それをいちいちキレイにして記録してさらにメンテしていかないといけない。
この漫画は、そういうたいへん地味で持続力を必要とする作業をたんたんと行っている人たちの「日常」を描いたもの(らしい)。漫画の主人公は、大学で考古学を学び漫画家を目指している(けど売れていない)、資料館へバイトに来た人ということになってるけどたぶん作者本人的な人物。要するに古いものの扱い方がわかっていて、正確な絵も描けるという人ね。
その他、怪力な人とか害虫に詳しい人とか個性的な面々が出てくる…まぁ、アマチュアピアノ界にいるとたいがい変人の巣窟だなと思うわけですが、たぶんその比でなく変人率は高いだろう(勝手な想像です)。
様々な資料を保管するには、もちろん害虫に食い荒らされてはいけないので、外からの侵入経路をふさいだうえで、燻蒸する。でも文化財燻蒸に便利だった「臭化メチル」が2004年で生産・使用禁止になりエラく面倒なことに。今では、それ以外の禁止されていないガスを用途に応じて使い分けつつ、「IPM(総合的有害生物管理)」の考え方できめ細やかに気長に対応するようになってきている。
漫画では、害虫にめっちゃ詳しくてGも手づかみできちゃう女子が出てくる。実物を見た場合はもちろん、抜け殻や食い跡やフンやそんなものからもパパッと虫の区別をつけちゃう。漫画では主人公と別人になっているけど、実はこちらも筆者っぽい人格らしい(筆者は博物館学芸員と文化財虫菌害防除作業主任者の資格を持っている)。
細かいパラパラしたものが、虫の抜け殻なのか繊維片なのかよくわからんってときには、デジカメの接写機能を使ってさっと拡大して確認する。今どきはルーペで見るだけじゃなくそんな手もあるのですね。そのまま記録もできて便利。
そうやって近年、便利になっている部分もないではないけど、基本、やることはアナログで、例えば古い農具はまずステンシルブラシの先端を切って平らにしたもので錆をこそげ落とし、ハケで払い、椿油を使って表面を保護。塗りすぎたときはキッチンペーパーで押し拭き。「10年後には朽ちるものを100年後に延ばす それが金属保存よ」
様々な形のものを大量に「ちゃんと何がどこにあるか」わかるように保管するというのも気が遠くなる作業。詳しい記録を書いたカード(大)と最低限のことを書いたタグ(小)を作ってタグは実物につけておく。収蔵庫の棚に番号をつけて、各段に枝番を振り、各段に収める資料の名称と収蔵番号をメモして、コンテナに貼り付け…これらの情報を電子化してデータベースを作り、タグにはバーコードとかで管理すればよさそうだが「そんな予算はない」とかあるいは「システムにしちゃうとそれが使えなくなったときに本気でヤバい」とかでなかなか手書きの世界は続くようだ。
家の中にある、ふだん使うものですら何がどこにあるかわからなくなる雑な人にはとても務まらない。私は漫画読むだけにしときます。
王義之「蘭亭序」まだまだ続く
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「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社