アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ファクトチェック「ワクチン接種者と偽薬接種者の死亡率が同じ(Newsポストセブン)」

2021年08月31日 | ピアノ
ワクチン接種者と偽薬接種者の死亡率が同じ(Newsポストセブン)
という記事が出ています。日曜日に出たものです。

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この記事は、ファイザー社の論文
Six Month Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA COVID-19 Vaccine
を元にしたものなんですが、そもそも元論文へのリンクを貼ってないところから「お察し」ではあるんだけど、読み方がほんとヒドいんです。

元研究は、4万人超の人を「接種群」「プラセボ群」に分けてワクチンの効果と安全性を調査したという大規模かつ重要なものです。

対象者は16歳以上、地域は六か国に渡っていて人種もいろいろ、それをランダムに振り分けて各群が2万2千人くらい。
これを6か月間追いかけます。

感染予防効果はよく言われているように、二回打って少ししたころが最強、それから徐々に下がってきますが半年間ですからまだけっこう効いています。期間中でいうと、「プラセボ群」が850例、「接種群」が77例新型コロナにかかったとのことです。そして死亡者は、「接種群」が1人、「プラセボ群」が2人でした。死亡となると少なすぎて比べにくいけどいちおう接種群のほうが少なかったのか…

とも思うわけですが、半年間に亡くなった人の合計は、「接種群」が15人、「プラセボ群」が14人でした。あれっ

ということで、見出し自体は嘘ではない。打っても打たなくても、全体としての死亡率あまり変わらなくて、多くはコロナ以外で亡くなっている。

ただ、記事では「意外な発見として注目されたポイントは、ワクチン接種群とプラセボ群の死亡率に差がなかったことです。実際に研究者の間ではこの結果が議論の的になっていて、“一体どういうことなんだ”と戸惑う専門家がいるほどです」(医療ジャーナリスト談)と言っているけど、そんなにびっくりするような内容ではない。元々、対象者が数万人(かつ六か月)ではあまり死ななかった(たぶん予想どおり)というだけの話。

それはともかく、
「その研究では、ワクチン接種群の感染者が77人で15人が死亡、プラセボ群の感染者が850人で14人が死亡しました。ここからそれぞれの感染者の『死亡率』を計算すると、ワクチン接種群が19%でプラセボ群が1.6%です。つまり、ワクチンを接種した人がコロナに感染すると、死亡する確率が異常に高くなることがわかります。原因や理由はわかりませんが、データはそう示しています。」(新潟大学名誉教授談)…

これはほんとにヒドい、というかただの嘘ですが、「ワクチン接種群の感染者が77人で」亡くなったのは1人、「プラセボ群の感染者が850人で」亡くなったのは2人です。15人とか14人は、コロナ以外の死亡を全部入れた話。何を何で割ってるんだ。この人ほんとに医者?? 「ワクチンを接種した人がコロナに感染すると、死亡する確率が異常に高くなることがわかります」って結論になっちゃったら計算疑わないの??

「通常、ワクチンの製造元は自分たちが不利になるデータは公にしないものですが、ファイザーはこのデータをよく出してきたと思います。それほど驚きの研究結果であり、さらなる調査結果の公表が待たれます」(同)

…いや、ファイザーはこのデータを、不利になると思って出してなんかいませんよ。効果と安全性が確認できたという主張です。

この論文をもとにデマを流したのはたぶんこの記事以外にいろいろあったと見えて、ファクトチェック記事がありました。
「@pfizer #Covid ワクチンの重要な臨床試験では、死亡の全体的なリスクを減らすことはできませんでした。ゼロです。ワクチンを投与された15人の患者が死亡し、プラセボを投与された14人が死亡しました」
というようなツイートについて、

-----------
しかし、これらの死亡数は、2021年1月以前に死亡した研究対象者全員を含むものであり、COVID-19による死亡を防ぐためにワクチンがどれほど効率的であるかという問題とは無関係である。
ツイッターの投稿にある主張は「これらのデータでは裏付けられない」と、ラトガース・ニュージャージー医科大学の感染症専門家であるDavid J. Cennimo博士は述べています。
ワクチン接種群と対照群のCOVID-19以外の原因による死亡者数が同程度であることは、予想されることだとCennimo博士は述べています。
「学習のために例を誇張すると、ファイザー社のワクチンは落雷から守ってくれないので、ワクチン群とプラセボ対照群で同数の人が落雷に遭うはずです」とCennimo氏は言う。
----------- (日本語訳はDeepLによる)

としていますが、まぁ実際、この治験では死亡の全体的なリスクを減らすことが示されてはいないんだし、「ワクチンを投与された15人の患者が死亡し、プラセボを投与された14人が死亡しました」も、ミスリードする気まんまんだけど嘘ではない。上記の「新潟大学名誉教授」ほとひどくはないですよ。結局のところ、死因がコロナであるかどうかより死ぬかどうかが問題なのは確かですから。

結局のところ、2万2千ずつ、半年間という程度だと、コロナで死ぬ人も、ワクチンの副反応で死ぬ人もあんまりいなかったし、なんならそれ以外で死ぬ人のほうがだいぶ多かった。

死なないにしてもQOLとしてはどうかというと、打った人は副反応の分がたいへんで、打たない人はコロナにかかる分がたいへん。

ということで、「個人」としてどちらがいいかは、まぁ年齢によるし生活状況(+感染状況)によるはず…ただしそのへんについては、この論文からはわかりませんが。

それと、この調査は去年行われているものなので、今はいろいろと「ゲームのルールが変更された」状態でしょうね。変異してますから。


Youtubeとかは、厚労省やら公式なところと違う見解を出すと削除されたりチャンネルごとBANされたりという状況ですが、(雑誌)記事ならなんでもアリなんですかね…

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