東京新旧写真比較(1981/2007) No.9 千代田区有楽町1丁目から
同じ構図の場所を探してみたら、第一生命館の前にあるバス停からの写真だった。
Photo 1981(ノーマル時)、Photo 2007.1.28(マウスオン)
1981年当時、写真中央の富国生命ビル(1980完成)はできたばかり。右隣の日比谷国際ビル(1981完成)は建設最終段階だったらしく、屋上に小さなクレーンが載っている。
左方、屋上のアンテナが目立っているのは三信ビル。朝日生命日比谷ビル(現 日比谷マリンビル)が角地でちょうど建設中で、この時点では、三信ビルの側面が、丸の内方面からもよく見えていた。三信ビルは、最後まで残っていた1Fのレストランが3月末に閉店し、5月から解体が始まったという。2007年1月のこの写真も、三信ビル最後の頃のものということになった。
その右側、横連窓と各階のベランダ庇が特徴的なのは日比谷三井ビル(1960完成・SRC9F)。こちらはまだ半世紀も経過していないのだが、解体と再開発が計画されているのだという。鹿島建設のHP内にある、「ビル進化論」を見ると、当時としてはかなり大きな建物だったことが分かる。十分効率的に土地を使っているように見えるが、建て替えをしてでも、もっと効率的に使いたいらしい。
細かいところを見ていくと、日比谷三井ビルの奥に、角部分が見えているのが帝国ホテル本館(1970完成)。こちらはまだそのまま。また、三信ビルのアンテナの後方に高層部が見えていた、旧第一勧銀本店(現みずほ銀行本店・1980完成)は朝日ビルに隠れて見えなくなった。反対に、2007年の写真では、三信ビルの奥にやまと生命本社(旧 大和生命本社ビル・1984完成)のガラス壁面がちょっとだけ見えている。
それから、この場所からは、帝国ホテルと富国生命の間に東京タワーが見えていたが、日比谷セントラルビルが1983年に完成したことで、先端しか見えなくなってしまった。
富国生命の手前には、日比谷公会堂が今も見えているが、隣の日比谷プレスセンタービルは、公園の樹木が成長して見えなくなった。公園の向こうには旧日本長期信用銀行(現 新生銀行本店)と大同生命霞が関ビルなどが建ち、高層部が見えている。また1981年の写真では、右端にわずかに霞ヶ関ビルが見えている。だが現在は霞ヶ関の合同庁舎に隠されて、これも先端のアンテナ部分だけしか見えない。
26年を経て、日比谷の景色は変わったと言えば変わったが、意外に変わっていないとも言えるかもしれない。ただ三信ビルが解体され、日比谷三井ビルも解体・建て替えということになると、やはりかなり変わってしまうことになるのだろうな。
三信ビル:その1、その2、その3、その4、Blog版 その1、その2
以下「超高層ビルとパソコンの歴史」から、個々の超高層ビル情報へのリンク
富国生命ビル、 日比谷国際ビル、 日比谷セントラルビル、
旧第一勧銀本店(現みずほ銀行本店)、
やまと生命本社(旧 大和生命本社ビル)、
新生銀行本店(旧日本長期信用銀行)、 大同生命霞が関ビル
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