東京新旧写真比較(1981/2007) No.11 千代田区神田駿河台1丁目
Photo 1981(ノーマル時)、Photo 2007.1.28(マウスオン)
JR御茶ノ水駅から駿河台下へ向かって坂道を下り、明治大学のリバティタワーの角を東向きに左折すると、淡路町方面へ向かう甲賀坂という下り坂。江戸時代に甲賀者の組屋敷があったと云われ、甲賀町という名だったことに由来するのだそうだ。左側にはYWCAや日大の校舎、遠方にも日大の建物が見えている。
1981年の写真で中央の煉瓦色の建物は日本大学理工学部1号館で、歴史的な外観を持ったものだったが、残念ながら2001年に解体され、ガラス張りの現代的な建物に建て替えられた。外観の一部だけでも残して中を近代的にする方法はいくらでもあったと思うし、個人的にはその方がかなりかっこいいと思うのだが、日大の関係者にはその気がなかったらしい。
YWCAも80年代の後半に解体され、現在の建物は1990年に建てられたもの。遠方にあった中央大学もなくなり、超高層の大正海上(右側:現三井住友海上)と新日本証券(左側:現三井住友海上別館)になった。
左方、YWCAの一つ奥の日大の校舎は、壁面の様子が全く変わってしまったので、よく分からなかったのだが、後から写真を見たら、玄関庇の様子が全く変わっていなかった。装飾的な近代建築というわけではなく、地味なモダン建築であり、とりたててなんということはないのだが、辛うじて残っていたことになぜかホッとする。
建て替わっていない建物を一つチェックしそびれたことと、以前は歩道がなかったことに気づかなかったため、撮影位置はうまく一致しなかった。
写真では見えていないが、右側は主婦の友社(御茶の水スクエアB・C館)だった。主婦の友社・御茶の水スクエアは、2002年に日大にこの土地建物を売却。日大は再開発をするため、2004年にB・C館の建物を解体し、現在は駐車場として暫定利用している。
ちなみにA館は大正14年(1925)に建設されたもので、磯崎新氏のデザインにより増改築が行われた建物。現在は日大の大学院法務研究科として利用されており、カザルスホールも管理は変わったが存続している。
関連サイト
日本大学理工学部一号館の記録
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