いま思えば、もう少しいろいろ撮っておけばよかった。
ブリキヤ國嶋
所在地:文京区根津2-14-15
構造・階数:木2
解体年:1997〜2000(平成9〜12)
Photo 1995.5.14
茨城県職員東京宿泊所のすぐそばにあった木造二階建て。この一枚しか写真を撮っていなかったので、もう一度見に行こうと思っている内に、いつのまにか無くなってしまった。周辺も含めてもう少し引いた全景があると良かったのだが、なくなったものは撮りようがない。
お仕事でもあるブリキで飾られた看板建築だと思っていたが、改めてよく見てみると、どうも看板建築ではなかったようだ。一階の庇部分はブリキで覆われ、その上に金属製のベランダがあって、この部分は洋風。でも二階の軒部分は出桁造りで、トタン葺きの傾斜屋根が見えている。通り側の全面に洋風の壁面を貼り付けたいわゆる看板建築ではない。どちらかというと、一部を洋風にアレンジした出桁造り家屋という方が良いのだろう。
真っ赤な軒と黄色の文字、水色の手摺という結構派手な取り合わせがとにかく印象的だ。中央に付いてるのはむき出しの小さな蛍光灯。夕方になるとそこだけ灯りが点いていたのだろうか。左側に付いてる「ナショナル雨どい」の看板も今更ながら気になる。
ネットで調べた限りでは、いつ頃の建物なのか、またいつ頃まで在ったかなどは不明、というか建物自体の情報がほとんど無い。根津近辺に住んでいた人にとっては馴染みのある建物だったと思うのだが、デジカメが普及し、HPやBlogで古い建物が個人によって紹介されるようになった頃には、既に無くなっていたのかもしれない。
2022.8.14 追記
住宅地図等で調べたところ、戦後の火災保険特殊地図(1953年)では「島田ブリキ」とされていた。その後、1973(昭和48)年の住宅地図では「国嶋ブリキ」となっており、1997(平成9)の住宅地図までは同名で掲載されている。ただ、2001(平成13)には駐車場になっているので、1997〜2000年の間に解体されたものと思われる。
国嶋ブリキ店、他/根津2丁目 - ぼくの近代建築コレクション
Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 文京区 #商業系 #出桁造り
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