「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       被災地での容疑者釈放 検察のたるみ

2011-04-04 07:08:25 | Weblog
東日本大震災の被害は甚大で多岐に渡って見逃しがちだが、この中にあって福島、宮城両地検がとった勾留中の容疑者を処分保留のまま釈放した措置は、法治国家とは思えない暴挙である。地検側の言い分は大震災の中で適切な捜査が行えず、勾留者の食事の提供が出来なかったからだという。釈放者の容疑は窃盗や強制猥褻、覚醒剤取締法違反者で、裁判官裁判にはならない容疑とのことだ。

この福島、宮城両地検の措置を知り、僕は昨年11月の尖閣諸島沖の中国人漁船船長逮捕をめぐる那覇地検のとった処分保留のまま船長を釈放を想起した。事情は異なるが、結果的に共通しているのは、こういった地方検察庁のおかしな措置に対して、いくら三権独立とはいえ、法務省が容認していることである。中野寛成国家公安委員長は、両地検の措置に”不快感”を表明したと、新聞にで出ていた。警察が努力して逮捕した容疑者を地検だけの判断で釈放されてはたまったものではない。

被災地の治安に対して色々なデマや風評が流れているという。両地検のとったこのような一方的な措置が影響していなければよいが。昨年来、東京特捜地検の事件を始め検察のあり方が色々問題になっている。かっての日本では、こんなことはありえなかった。やはり検察のどこかにたるみがあるのではなかろうか。大震災の後で、それどころではないかもしれないが、わが国の治安に関する重大な問題である。うやむやにせず、徹底的に両地検の責任を追及して貰いたい。