「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       なんとかならないのか農産物の出荷停止

2011-04-28 06:51:29 | Weblog
千葉県香取市の10農家が国の出荷停止命令を知りながら7885束のホウレンソーを同じ県内の八日市場の卸売市場に出荷し、これが首都圏の市場に出回っていた。法律違反の許せない行為である。農家の行為は、他人の健康なんかどうでもよい、カネ目的の、いわゆる石原都知事のいう"我欲”によるものだ。

しかし、農家にとっては、手塩にかけて育ててきた農産物がふって湧いてきたような放射能による暫定基準値が一時的に高いという理由で出荷停止にされてはたまったものではない。香取市産のホウレンソーも4月4日に出荷停止の対象になったが、その後22日には解除されている。

原発事故による放射能漏れが表面化して以来、国の原子力災害特別措置法に基づく農産物の出荷停止が福島県だけでなく関東地方の各県で実施されているが、そのほとんどが数週間後には、暫定基準値が連続3週間下回ったという理由で解除されている。昨日も栃木県産のホウレンソーやキャベツなどが、塩原市と塩谷町以外解除になったと、枝野官房長官から発表があった。

国民の健康に関する問題だけに、国が慎重にこの問題に取り込んでいるのは理解できる。しかし、あまりにも画一的、お役所的ではないだろうか。小ブログ(3月22日)は農畜産物の出荷停止は人災とまで決め付けた。それは初期の段階では、国の出荷停止命令が実際の測定値によるものではなく、単に行政単位によって行われていた嫌いがあったからだ。

出荷停止命令が一回だけの基準値オーバーで決定するのが正しいのかどうか。農家にとっては、補償問題もはっきりしない段階で、一方的に出荷をスットプされてはやりきれない。