「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      菅総理の感性と国民との見解の相違

2011-04-13 06:30:16 | Weblog
福島、茨城の太平洋沿岸の被災地を中心に連日M5から6の強い余震が続き、そのたびに東京でもM3級だが、気持の悪い揺れがある。さらには、内陸部の千葉や長野でもM5弱の地震が起きている。気象庁では3月11日の巨大地震の余震としているが、心理的には東京首都圏を包囲するようで落ち着かない。

福島原発事故による放射能の影響もデータ上は、首都圏には影響ないことは判っているが、老妻などは天気がどんよりと曇ると、放射能の影響ではないかと思い、洗濯物を外に干したりしない。地震の被災地でなく福島原発事故に関係のない東京でさえこうである。テレビの画面で被災地の中年の女性が、余震後”毎日これでは恐くて眠れない”と言っていたが実感であろう。福島県では県独自で県内2千か所で放射能値を測定して県民に公表するという。地元の自衛策である。

こんな中で昨夕、菅総理の記者会見を聞いたが、国民の最大関心事である放射能放出量についての国際評価(INES)が最悪レベルの7に引き上げられた事は後回しだった。この会見は本来大震災1か月後の一昨日行われる予定だったのが、余震のため延期されていたものにすぎなかった。だから国際評価が7となった深刻な事態への認識が薄いし無策なのだ。

被災地では10万人を越す人たちが避難しており、余震に怯えているというのに「震災復興構想」計画である。将来へ向かって重要であり、指導者として発表したい気持ちはわかるが、あまりにも国民感情から遊離している。市民運動家というのは庶民生活が理解できない感性の持主のようだ。

記者の一人が大事震後の失政と地方選挙の敗退の責任をとって総理に辞任する気持ちはないかと質問したら、その記者に対して“○○さん、あなたとは見解の相違だ”だと質問をそぐらかした。公開の会見の場であり、記者との討論の場ではない。随分、失礼な話である。