「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           南シナ海で中比が対峙1か月

2012-05-11 07:06:15 | Weblog
南シナ海の南沙諸島の一つ、スカボロー環礁の海域で領有権をめぐってフィリッピンと中国の艦艇が1か月以上にわたって5㌔の距離で対峙したまま、一触即発の危機にあるという。直接の原因は4月10日、同環礁に停泊中の中国漁船をフィリッピン海軍の艦船が拿捕したことにあるが、南沙諸島では、そのほかにも領有権をめぐって両国間に対立がある。

南沙諸島は100余の小さな環礁からなり、ほとんどが人が住んでいないが、数年前からこの水域に海底油田が存在することが確認されて以来中国船の出没が激しくなり、これを巡って関係諸国との間のトラブルが絶えない。中でもフィリピン、ベトナム両国と中国間の紛争が激しい。フィリピンでは、バクアサ島という小島に住民を移住させ、ここに小学校を建設する準備をしていると伝えられる。実効支配をねらったものだが、これが一層中国を刺激しているようだ。

対立の構図は尖閣諸島と似ている。日本政府は”日中間には領土問題は存在しない”と言っているが、そんなことでは中国は納得しない。その点、石原慎太郎都知事が投じた一石は意味があり効果的だ。島を東京都が購入すると発表して以来10日間余りで2万5千人から3億円に上る募金が集まったという。募金の額の多寡ではない。国民がいかに領土問題に関心があるかということだ。北方領土問題についても竹島の問題についてもそうだ。政府のPRのやり方が下手である。きれいごとを言っているだけでは、相手国が実効支配を強めてくるだけである。フィリッピンのバクアサ島での小学校建設も参考になるのでは。