「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

              81歳の勤労動員クラス会

2012-05-19 06:01:57 | Weblog
70年近くの竹馬の友から電話があった。二人の共通の友人W君の弟さんから知らせがあって、昨年夫人に先立たれたW君が最近家に閉じこもりがちで心配だ。会でもあったら声をかけてくれという話だったという。御夫婦仲の良いことで知られたW君である。ショックなのだろう。早速二人で相談して、しばらく開いていない戦争中勤労動員で一緒だった当時のクラス会を開くことにした。

三人とも戦争中、中学2年で勤労動員された時一緒に苦労した仲である。僕らは昭和20年1月から4月15日の空襲で蒲田にあった工場が焼失するまで、その工場で○六という人間魚雷の部品を製造していた。動員時の我が2年C組は確か60人近くいたのだが、今連絡が取れるのは僅か24人しかいない。戦争で地方へ疎開し消息が分からなくなった友人が17人、すでに鬼籍に入った友が11人もいる。

老人の会合は連絡が大変である。若い人の会なら、今はメールやFAXで簡単だが、年寄りはほとんどPCをいじっていない。FAXもない人が多い。ケータイはあるのだが、昔の名簿にはその番号が載っていない。しかし、反面、直接友人たちと久しぶりに会話が出来る喜びはあった。予想はしていたことではあったが、ほとんどの友が癌とか脳梗塞、心筋梗塞といった大病の経験者で足腰が弱っている。元気な友もいたが夫人が認知症だという友もいた。

あらかじめ判っていた病人弱者を優先させて会も昼間に設定、会場も駅近くの階段の上り下りのない場所にした。会費もそれぞれの体調に合わせて自分の飲み食いした分だけ各自支払う方式にした。6月1日に集まりをもつことにしているが、今のところ参加者は意外に多く、連絡の取れた24人のうち半数の13人から出席の返事があった。81歳の老人の集まりとしては上出来である。