「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            働かなくなった日本人と生活保護

2012-05-27 05:29:19 | Weblog
かって日本人はワーカフォリック(仕事中毒)とかエコノミック.アニマルとか世界から批判され、蔑まされていたことがあった。バブル前の時代で、その頃まで日本人は戦後の復興と経済発展に向かって”モーレツ”に働いていた気がする。しかし、これは裏を返すと、この時代はまだまだ、日本人全体が貧しかったのである。

昭和42年(1967年)の内閣政府広報室の「内職に関する世論調査」をたまたまネットでみて驚いた。当時日本の一般家庭で毎日内職をしている家庭が48.5%、半分近くあった。そして、内職をする理由として、生活を賄う(10.1%)不足を補う(38.2%)を挙げている。わが家でも昭和20年代の後半だが、町工場の下請けでミーリングの真似事みたいなことをやっていたのを想い出す。

人気お笑いコンビ「次長課長」の河本準一の母親が生活保護を受けていたことが問題になっている。芸人の社会は一見華やかだが、売り出す前の生活はは苦しい。河本も弁解しているように、申請して受理された当時は貧しかっのだろうが、その後有名になり所得が増えた後も貰い続けていたことは問題だ。どうも生活保護に対する日本人の意識が変わってきたのであろうか。”モーレツ”時代の日本人は,”おカミから”のおカネを受け取ることは恥であり、抵抗もあった。

生活保護受給者の数ここ数年増え続け、ついに200万人を突破したという。生活のセーフテイネットであり、生活弱者にとっては必要な制度である。しかし、受給にからんで暴力団が関係したり、働けるのに働かないで理由をつけてこれで生活している若者もいるみたいだ。「次長課長」の不正事件は良い機会だ。もう一度生活保護制度を見直し、同時にかっての日本人とまではゆかなくとも、もっと働くによって喜びを知る社会に戻すべきである。