「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”触らぬ神”の日本の外交 「北」の拉致調査中止

2016-02-13 05:43:14 | 2012・1・1
北朝鮮政府が日本人拉致被害者の調査を一方的に中止し、一昨年設置された特別調査委員会を解体すると通告してきた。核実験や先日の長距離ミサイル発射に対して、わが国がとった一連の制裁措置への対抗である。日本のメディアによると、政府は「北」の今回の対抗措置は”想定内”とし、対話は続行する構えのようだが、無法国家の無法の連続に怒りを感ずる。政府はそれなりに外交努力は続けているのだろうが、”触らぬ神に祟(たたり)なし”の外交姿勢が、底流にあるようにみえてならない。

読売新聞(12日4面政治面)に”政務官を派遣”という2段記事で、2月22日、島根県主催で松江市で行われる「竹島の日」記念式典に、政府は今年も大臣、副大臣の派遣を見送り、政務官を送ることになった。安倍総理が総裁の自民党は、「竹島の日」と2月11日の「建国記念日を政府主催で行うことを公約にしていたはずである。読売新聞の記事には式典に大臣派遣を見送ったのは、昨年暮の慰安婦をめぐる日韓合意」やミサイル発射後の日韓共同歩調に配慮したからではないかという。

「竹島」は、日本の固有の領土である。戦後のドサクサに紛れて韓国が不法占拠してるだけである。慰安婦問題とは違う。政府はもっと毅然とした態度で外交交渉にあたるべきである。「触らぬ神に祟り(たたり)なし」という俚諺がある。”関係しなければ、災いを招くことはない”(三省堂慣用句辞典)という意味だが、僕には、戦後の日本の外交の底流には、この諺が流れているように見えてならない。

”腰が引けている”外交では、拉致問題は解決しないし、北方領土が領土化されても、竹島に太極旗が翻っていても、文句が言えない。祟りなんか恐れていては何もできない。