「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

老人が3万円貰っても消費支出増につながらないのでは

2016-02-18 05:36:57 | 2012・1・1
総務省が発表した昨年度(平成27年)の単身世帯を含む総世帯の総支出は、一世帯当たり24万7126円で、前年度に比較して実質2.7パーセント減、2年連続の減少、2000年以降、最低のレベルとのことだ。新聞のコメントによれば、2004年の消費税増税で、消費者の節約志向が細大の原因ではないかという。年金生活者の老人である。もともと消費マインドがない僕らでも、アベノミクスのいう”デフレからの脱却”の実感はない。

政府が補正予算の目玉の一つとしている65歳以上の公的年金受給者1280万人に対する一人当たり3万円給付金は、どうなったのか。テレビの国会中継を見ていても”不倫議員”の追及はあっても、野党のこの問題に対する質疑もない。下手に問題にすると、高齢者から反発にあうとでも思っているのだろうか。僕は残念ながら、給付金受給の対象外で、その”腹イセ”で言うわけではないが、政府の選挙目当てのバラマキである。政府側の説明では、給付金交付の狙いは老人の消費意欲を高め、景気増進の起爆剤にしようというものだという。

しかし、どうだろうか。同じ年寄りでも80歳なかばになると、何故か物欲がなくなってくる。旅行に行きたくとも足腰が弱く考えてしまう。グルメも身体を考えると躊躇してしまう。せいぜい、入院する際の準備金として銀行に預けたままであろう。先日、社会人の孫が4万円の靴を買ってきたといって老夫婦で話題になった。景気増進策を狙うのならば、消費意欲の旺盛な現役世帯にあつい政策の方が効果があると思うのだが。