”草食系”老人の野菜料理の同期会

春めいてくると、毎年、昔の集まりの通知が届く。僕も73年前、桜満開の校門を共
にくぐった小学校の同期会の幹事をおおせつかり、昨日会場を下見してきた。58人
いた級友も昨年は僅か5人に減った。今年の会には、果たして何人参加できるのか
わからないのだが。

友人が推薦してきたのは「やさい家めい」という変な名前の店だ。サリーマンの昼食
時を避けて午後1時に店へ行ったが、客が一杯で入れない。お客はほとんど女性ば
かり。料理は店の名前の通り、野菜が中心である。僕ら二人は「春の和風ロール・キ
ャベツ」定食一人前1150円を食べた。

最近、「草食系」とか「肉食系」とかいう言葉をよく耳にする。後期高齢者の僕でもなん
となく、その意味はわかる。映画にもなった主人公の「草食系」はスイーツが好きで女
性的な男性だそうである。僕ら昭和１ケタ世代は、どちらかといえば、亭主関白で「肉
食系」が多い(多かった）。だから、僕は店のメニューを見て、同期会の会場としては抵
抗があった。でも考えて見れば、皆　八十路にさしかかり傘寿の老人たちの集まりだ。

店の主人の勧めもあって、同期会は”お野菜のしゃぶしゃぶ”をメーンにして何品か野菜
料理をつけることにした。”お野菜のしゃぶしゃぶ”は温野菜でたっぷり野菜がとれて胃
腸にもよい健康食とのこと。”肉食系”の老人（だった）が果たしてこれに満足するかどう
か僕には自信ががないが、話題にはなる。