今、この時代をどうあらわすべきなのか・・・あちこちのブログで「愚民」と国民を批判しているが、私はそれが悲しい。
そのことで、福沢諭吉「学問のススメ」から・・・。
「学問のススメ」より(福沢諭吉)
世の中に無知文盲の民ほど憐れむべくまた悪むべきものはあらず。
智恵なきの極は恥を知らざるに至り、己が無智をもって貧究に陥り飢寒に迫るときは、
己が身を罪せずして妄に傍の富める人を怨み、甚だしきは徒党を結び強訴一揆などとて乱妨に及ぶことあり。
恥を知らざるとや言わん、法を恐れずとや言わん。天下の法度を頼みてその身の安全を保ちその家の渡世をいたしながら、
その頼むところのみを頼みて、己が私欲のためにはまたこれを破る、前後不都合の次第ならずや。
或いはたまたま身本慥にして相応の身代ある者も、金銭を貯うることを知りて子孫を教うることを知らず。
教えざる子孫なればその愚なるもまた怪しむに足らず。遂には遊惰放蕩に流れ、先祖の家督をも一朝の煙となす者なからず。
かかる愚民を支配するには、迚も道理をもって諭すべき方便なければ、ただ威をもって畏すのみ。
西洋の諺に愚民の上に苛き政府ありとはこの事なり。こは政府の苛きにあらず、愚民の自ら招く災いなり。
愚民の上に苛き政府あれば、良民の上には良き政府あるの理なり。
一身独立して一国独立すること
固(もと)より国の政(まつりごと)をなす者は政府にて、その支配を受くる者は人民なれども、こはただ便利のために双方の持場を分ちたるのみ。一国全体の面目に拘わることに至っては、人民の職分として政府のみに国を預け置き、傍(かたわら)よりこれを見物するの理あらんや。
ベッラあとがき
これを読んで、心が落ち着きます。
じっくり読んでみよう、でもすごいなあ・・・明治の人って・・・感無量です。