「料理の鉄人」で有名な道場六三郎さんは、絶対におせち料理を売らない。
『それは各家庭が作るものです』とキッパリ、店に行って食べるものではない、とおっしゃる。
私は年末がくると嬉々としてはりきる。
大掃除、おせち料理の計画、など、わくわくして途中でくたびれ、お正月はぐったり、なんていうありさまだった。
「今年こそ!」と毎年思うのだけれど・・・老親が楽に噛める食材を選ばなければならないし、料理法も水分を保持したものでないと、喉につまる。
そこで、いつも料理は大みそかの夜中に作り、朝、父に食べてもらえるようにした。
「あれだけ時間をかけて料理したのに」おせち料理って、日常生活で新鮮な美味しい出来たてを食べているだけに、冷めたものは箸がのびない。
私は父の為に毎年活海老を買っていた。
ジュっと焼いていると、香ばしい海老の焼ける匂いに父が起きてきて、それを全部食べてしまうので、重箱に海老はない。
いつもできたてのおせちを、暖かいまま、食べてもらうので衛生面も味も、安心。
昨年は「売っているおせちってどんなのかしら」と興味があって少し買ったのだけど、父は食べない。
料理を作る私は、楽ができる、って喜んだけれど、結局全部父のために新しく作った。
普段でも「残り物」を父には食べさせない。
作り置きもしない。
食中毒を完全に防ぐため、全部出来たてである。
ところで来年のおせちだけれど、韓流スターの宣伝する「韓国おせち」を売り出しているそうだ。
ここにも浸食してきたか・・・おせちというのは節々の行事において食べるものだった。
桃の節句や端午の節句など、そしてお月見もそう、それぞれの季節の旬のものを料理して食べる。
ここは日本だ、匂いのきつい食品をお重にはつめられない。
和食のおせちすら、気をつかうところで、他の料理に匂いがうつらないようにつめかたに工夫するけれど、
韓国料理となるとむずかしいし、食べる気がしない。
香辛料の強いのは健康に悪い。
老親の楽しめるおせちメニューを今から考え、計画することの楽しさを高いお金を出して無駄にしたくない。
今年はあの美しい、黒の塗りに内側は銀の・・・あのM氏に頂いた重箱につめることを思うと、楽しい気分になる。
お酒は灘の銘酒で♪ 神戸ワインも用意しよう。(純国産だから)
☆ おせち料理って老人が食べることが難しい食材と料理法が多い。