NHKBSで深夜、バイロイト音楽祭の公演の放映があった。
深夜なので予約録画していたが、途中で見て本当に驚いた、そしてこれを見た何も知らない人たちは、オペラを、またワーグナーをどう理解、でなくて「誤解」するのだろうか、と心配になってきた。
最近、オペラの演出がおかしい。
これを前衛というのか?
モーツアルトのオペラ「魔笛」も何年か前、ニ期会公演やメトロポリタン公演の放送を見たが、まるで怪獣映画だった。
オーソドックスな演出はないのか・・・これではオペラは「誤解」されるばかりである。
そして高い入場料を払って「怪獣」を見せられるお客も災難だ。
今、まともな演出をしているのはイタリアぐらいか・・・。
これも演目によるのかも知れない。
今回のバイロイト祝祭劇場の演出なんて、ピンクのウサギのぬいぐるみを着てコーラスが並んでいたり、・・・それを見たとたん、テレビを消した。録画も消した。
「ローエングリン」というオペラにいつピンクのウサギが出てくるのだ!
ピンクパンサーじゃあるまいし、・・・しかもそれがずらっと並んだら異様な雰囲気である。
また、頭髪の前頭部だけ剃った男性がずらっと後に並んでいる。
ちょんまげをつけたら時代劇だ。
こんな演出に出て歌う歌手も歌手だ。聴く前から「趣味」の悪さや「見識」が疑われる。
演出家の権威が強くなったのか、音楽よりも奇抜な怪獣やぬいぐるみの演出が優先されるのか!
以前、カップッチッリが怒っていたけれど、とんでもない演出に出演をキャンセルした、まだ許せない、と。
そして「契約不履行」で訴えられた、とか。
とにかくカンカンだった。
これではオペラは衰退する。まともな歌手は出演しない!
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オペラの演出、特にドイツものは、最近過激な演出が多いと思いますが、今回のローエングリンもそのひとつだと思います。
ただ、最後まで耐えて観ると、そのメッセージ性の強烈さにやられてしまいます。これがベターであるという気は毛頭ありませんが、現代の閉塞感を風刺した、非常に考えさせられる作品であったのは事実です。
ただ、吐き気を催す場面があったのも事実で、録画を消去されたのは、案外正解だったかもしれません。
かなり最近のドイツオペラをご覧になって、的確なコメントと存じます。
「ローエングリン」は最もロマンティックなオペラで、白鳥の騎士、ローエングリン、美しい姫エルザ、そしてド迫力の悪者夫婦、高潔な王、などなど、合唱も前奏曲も美しく、また景色もノイシュヴァン城があったり、うっとりするような素敵なオペラ・・・それがピンクのうさぎのぬいぐるみ、だなんて。
他も少し見ましたが、気味が悪くて。
「最後まで耐えて観る」なんてできなかったです。最後はローエングリンの美しいアリアもあり、印象的なんですもの。
最後までがんばって観れば、「メッセージ性の強烈さ」にやられ考えさせられる・・・ここwもう少しくわしく感想をおきかせいただけたら幸いです。
「吐き気を催す場面」なんて・・・耐えられないかもしれませんが・・・。
「メッセージ性」というのは、私が感じるに、現代の(特に欧米の)閉塞感を表現していると思われるのです。ネズミ(というかモルモット)は、限られた空間の中で右往左往しており、利己的な存在として表現されているように思えます。が、このあたりは序の口。
「吐き気を催す」というのは、ラストの、例の、ブラバンド王国の世継ぎの登場のシーン。世継ぎは、何と、へその緒のついた胎児(というか嬰児)で、しかも醜く膨れ上がった、見るも無残な姿なのです。あれを、グロ趣味でないかぎり、直視できる人は少ないでしょう。その嬰児が、自らへその緒を引きちぎり、観客の方に歩んでくる。音楽が鳴り止んだ後も。緊迫する観客!
これは、おそらく、自らの人生に自身を持てない大衆が、自分の後を追いかけてくる子孫への恐怖と絶望を表現しているのではと感じました。ネズミといい、嬰児といい、現代の閉塞感を表現する手段だと。
が、仮にそうだとしても、どう見ても、あのラストは、ホラーに過ぎない。仮に演出家が「こうあるべきだ」と主張したにしても、そこには、自ずと越えてはいけない一線があると思うのです。
私は、このラストを見て、それまでの美しい音楽も、歌手たちの透明感のある歌声も、みな吹っ飛んでしまいました。おそらく、それも確信犯的な演出家の意図なのだと思いますが、ここまでやられると、演出の存在自体を拒絶してしまいます。これで本当に舞台芸術と言えるのか!?
というわけで、やはり貴方は、あのラストは見るべきではなかったと思います。私も、当分、映像は結構。目を閉じてカラヤンのCDでも聞いて口直しでもしたいと考えています。
私はイヤなものはイヤ、特に音楽、オペラは、ですよ。
他のことだったら妥協もします。
でも「ローエングリン」なんて私の青春そのもの、憧れました、あの美しい音楽に!
今はカラヤンの「ドン・カルロ」に没頭します。またいろいろお話して下さい。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
ワーグナーというのは、とかく議論の標的になるようです。なぜなのか、私にはよく分かりません。イタリアオペラの場合とはちょっと違うように感じます。
ワーグナーの作品には、独特の「毒」のようなものを感じますので、単に「美しい」では済まされないという印象があります。が、この「ローエングリン」は、崇高な美しさに満ち溢れているので、その美しさに焦点を当てる鑑賞方法も、決して間違ってはいないと思います。というより、「こういう聴き方でなくてはならない」などと聴衆に鑑賞方法を強制するほど、ワーグナーの作品が了見が狭いとは思いませんが。
なお、私も、途中で「だめだこりゃ」と、鑑賞を投げ出してしまう場合も、少なくないです。対人関係と一緒で、どうしても肌に合わないというのは、音楽や演奏や演出でも、結構あるものです。私が悔しいのは、今回のバイロイトの演出が、私にとって肌に合わないものであるにもかかわらず、体の中に染み付いて離れないことです。だから「やられてしまった」と書いたのです。
でも歌い手にとってワーグナーは理屈をいっているどころか、スタミナが大変です。
大変な体力と声域、オーケストラにかき消されないだけの通る声、音楽のなかでライトモティーフなど、イメージがいっぱい膨らみます。
私が「美しい」と言ったのは、グレイス・ケリーなどをうっとりと見て、という意味ではなく、それはワーグナー独特の・・・毒といえば毒なのでしょう。奈落の淵に立ちながら、・・・言葉はだめですねえ、言えばとんでもない方向にいってしまいそうです。
うみぼうず様のお話はよくわかりますよ。
私はワーグナーに魅せられながらワーグナーとは一線をひく、というのも一言ではいえないのですよ。
私はヴィーラント・ワーグナーの演出を見て「ワーグナーの演出」の素晴らしさを知りました。舞台は能のように装置がほとんどなくて、時間も場所も、「空間」の中で演じられます。
「能」を知っている日本人にはわかりやすい演出でした。
でも、誰でも自分の歴史があります。
私はうみぼうずさんのお話はよくわかりますし、耳を傾けたいですが、さっきの方とはもうこれきりにしたいほど、あきれています。
もし来ても話したくないし無駄だから。
うみぼうずさんのお話は周囲が十分に見えているし、幅が広いですね。
でも・・・私はベルカント、イタリアオペラが専門です。ワーグナーのオーケストレーションはいろんな作曲家に影響を与えています。
ロシアオペラも大好きですよ、ロシア語ができたら歌いたかったです。
たしかにあの「ローエングリン」は悪趣味の極みでした。当夜、深夜まで観たけれど、特に最後の弟出現のくだりは理解し難いですね。ちなみに私はウサギではなく、あれはネズミではなかったでしょうか。その訳は、かつてヘルツォークの映画で「ノスフェラトウ」に、赤い眼のネズミが大挙して出てきましたが、その裏返しではないか、とも想起しました。
どうも現在のインテンダントのカトリーナ(ワーグナー直系の血脈である)の趣味ではないか、と思われます。「マイスタージンガー」もいただけなかった。
バイロイトは、ヴィーラントの時代以降、40年以上にわたって聴き続けてきた身としては、いろいろ言いたいことはあるが、一つに絞ると、来る2013年の記念年にはあまり奇抜な演出はしてほしくはないが、危惧してもいます。
こんなことが自由に言いにくいようになりますと、非常に困ります。
「マイスタージンガー」もそうだったのですか、私は音楽だけ聴くほうがいいような演出は個人的に拒否したいのです。
オペラの舞台を見て、音楽の広がりがあるような、オーソドックスな演出が名演奏家の演奏を輝かせるものと思います。
あとであれはウサギではなくネズミとわかり、
もうどっちでも気味が悪くイヤですね。
ワーグナーの直系は、尊重されているのでしょうね。
聴衆は半数が拍手、残りの半数がブーイングだったのに、放送ではブーイングは消されていたそうです。
もうバイロイトはもちろん、他のオペラハウスのモーツアルトのオペラも「怪獣」などが出てきたり肝心の音楽よりも「新演出」なるものが話題を呼んでおり、それも次から次へとという感じがします。
私は大石さまのご意見に全く同感です。