国際政治学者、倉西雅子先生のサイト「万国時事周覧」に重要な事が書かれていますので一部転載をさせていただきました。
中東欧諸国の対中接近の危うさ-中国はロシア以上の脅威では?
・・・「中東欧諸国の親中政策の根底には、EUには加盟したものの、期待したほどの経済成長を遂げることができない不満があるのでしょうが(もっとも、中東欧諸国の苦境は、生産拠点としてより優位な条件下にある中国の存在が原因…)、安全保障上のリスクを考慮しますと、近い将来、予想を越える事態に頭を抱えることにもなりかねません。
何故ならば、ロシアではない国であれば安全というわけではなく、中国もまた、ロシアを凌ぐ軍事的脅威となり得るからです。否、一党独裁体制を維持し、かつ、全体主義的な国民監視体制を敷いている中国の方が、余程ソ連邦の体制に近いばかりか、一帯一路構想が実現すれば、ヨーロッパと中国は直結してしまいます。人民解放軍の機動性は増し、短時間でヨーロッパまで到達してしまうのです。
13世紀、パドゥ率いるモンゴル軍が中東欧諸国を席巻し得たのもその騎馬隊の機動性の高さにありましたが、同軍の侵攻を受けた地域の住民が無残にも虐殺され、奴隷化された歴史は、現代において繰り返さないとは限らないのです。
ロシアに対する対抗心、並びに、経済支援を目的とした中東欧諸国の一帯一路構想への協力は、自ら危機を招き入れるようなものです。
仮に中国が、これらの諸国を政治的に取り込もうとしたり、軍事的な行動に訴えた場合、EUが連帯して対抗するとは限らず、また、加盟国が凡そ重なるNATOにあっても、EUと同じ分裂線が加盟国を分かつかもしれません。
EUは、目下、英国の離脱問題で揺れておりますが、EU自体がその基盤を切り崩されつつある現状にこそ、関心を寄せるべきではないかと思うのです。」https://blog.goo.ne.jp/kuranishimasako/e/f7de9d1de26d11879e53f38ec2f9ec10?st=0#comment-form
これはお勧めです。河添さんのとても分かりやすく丁寧な解説です。旧東欧はロシアに用心してきた。 しかしプーチンは容認する。チャイナには免疫がない。
ノンフィクション作家・河添恵子#13-1★中欧・東欧を蝕む中国の赤い毒牙★隠れ共産主義と中国マネー
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本日の曲はハンガリー出身の作曲家、リスト作曲「タランテッラ」です。
ピアニストはヴィタリー・ピサレンコです。
Vitaly Pisarenko plays Liszt - Tarantella