タイトルからは、就職活動をする学生向けのノウハウ本かと思わせるところもありますが、内容は優れたリーダーシップ論です。昨年11月に発刊されて以来最近までビジネス書の売り上げで上位をキープしていました。12年間、マッキンゼーの採用マネジャーを務めた筆者の知見が分かりやすく書かれています。私自身参考になる点が多くありましたし、自分のリーダーシップの至らなさに気付かされました。
以下、幾つか私の備忘用の抜粋・まとめですが、抜粋では本書独特のリズムと考え方が分からないので、是非、手に取って読まれることをお勧めします。一番ドキッときたのは、コラム「保守的な大企業で劣化する人」。。。俺のこと???
(以下、抜粋)
・成果を問う環境でなければリーダーシップは育ちにくい。日本は成果よりも組織の輪が重視されることが多い。「リーダーとは和を尊ぶ人ではなく、成果を出してくれる人」(第3章)
・リーダーでなすべきことは、①目標を掲げる、②先頭を走る、③決める、④伝える、4つの極めてシンプルであるが、重要なこと。(第4章)
・リーダーシップを学ぶための4つの基本動作。①バリューを出す、②ポジションを取る、③自分の仕事のリーダーは自分、④ホワイトボードの前に立つ。
・「できるようになったら、リーダーシップを発揮する」のではなく、「リーダーシップは今すぐ発揮して、出来ない部分については、次回からどう改善すればいいかを学ぶ」。(第5章)
・日本に不足しているのは「リーダーシップ・キャパシティ(日本全体でのリーダーシップの総量)。カリスマリーダーの不在ではなく、リーダーシップを発揮できる人数の少なさ。現状を変えられるのは、神でもスーパースターでもなく、組織のあらゆる場所で、目の前の変革を地道に主導するリーダーシップの総量が、一定以上まで増えること。日本に足りないのは、あらゆる分野で働く、名もない数多くのリーダー。(第6章)
・リーダーシップは、①全ての人が日常的に使えるスキルであり、②訓練を積めば、誰でも学べるスキル。リーダーとは何をすべき人なのか、そのためにどう振舞うべきかを理解し、小さな場面でもそれらを体験して成功体験を積み重ねることにより、ごく普通の人がリーダーとして活躍できるようになる。(第7章)
・リーダーシップを身につけることで、当の個人のキャリアや生き方が変わってくる。①自分が気になっている問題が解決でき、②継続的にリーダーシップを積むことで自分ができることの範囲が広がって行き、自身の成長の実感できる、③自分の仕事やライフスタイル、生き方のポリシーを、既存の組織や団体の器に合わせるのではなく、自分自身が実現したいと考える世界を追求でき、④キャリア意識にも影響を与える。(第8章)