その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

映画 『シカゴ』 (Chicago)

2013-10-02 20:17:05 | 映画

 劇場ミュージカル版をロンドンで見たが、本作はその映画版。私の無知だったが、この映画は2003年のアカデミー賞を作品賞をはじめとして計6つも受賞している。

 ストーリーは劇場版とほぼ同じで、シカゴで成功を夢見てジェットコースター人生を歩む女性の物語。ミュージカル映画だが、「レ・ミゼラブル」のように全編歌で通すわけではないので、あまりミュージカル映画っぽくない。

 劇場版以上にシニカルなブラックジョークが効いていて楽しめる。上昇志向の強い女性たち、裁判はショーと割り切り、フィーは高いが依頼人を必ず勝たせる弁護士など、ステレオタイプ的なアメリカ社会、アメリカ人価値観が描かれている。そして、それを第三者的に皮肉った歌詞が、観ているものをクスッと笑わせる。

 残念ながら歌やダンスの迫力は生のミュージカルには敵わない。一方で、映画のほうが人物描写は細かいので、登場人物への投入感(尤もどの登場人物もあまり共感できるタイプの人物ではないが)は高まる。

 正直、アカデミー作品賞を取るほどまで完成度の高い作品とも思えなかったが、良く出来た映画であることは間違いない。


スタッフ
監督ロブ・マーシャル
製作マーティ・リチャーズ
製作総指揮ニール・メロンクレイグ・ゼイダン、ジェニファー・バーマンサム・クロザーズ、メリル・ポスター、ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン
脚本 ビル・コンドン
原作 ボブ・フォッシー、フレッド・エッブ
撮影 ディオン・ビーブ
美術 ジョン・マイヤー
音楽 ダニー・エルフマン、ジョン・カンダー
振付ロブ・マーシャルキャスト、

キャスト
レニー・ゼルウィガー:ロキシー・ハート
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ:ヴェルマ・ケリー、
リチャード・ギア:ビリー・フリン
クイーン・ラティ:ファママ・モートン
ジョン・C・ライリー:エイモス・ハート
コメント
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