この秋は改めてインターネットビジネスについて集中して本を読んでみよう思い、手始めに電子流通の巨人となったアメリカのアマゾン社に関する本を手に取った。著者のリチャード・ブラントはサンフランシスコ在住のテクノロジーについてのライター。翻訳版は2012年10月初版だが、原書は米国で2011年に著作権がついている。
Amazon社の誕生から現在までの成長を、社長のジェフ・ぺゾスの生い立ちからの半生を含めて追いかける。米国のこの手の企業や経営者を紹介する本は、ジョブスの伝記が上下2巻だったように(私は読んでないけど・・・)、かなり厚く、細かい記述が含まれる場合が多いと思うが、本書は極めてコンパクトかつ平易に書かれていて、気楽に読み進めることができる。
本書を読むと、アマゾンの強さは、強い顧客志向、徹底した規模の経済と先行者利益の追求、そしてそれらを実現させるぺゾスの情熱にあることが良く分かる。出版という既存の業界の秩序を破壊し、新たなビジネスモデルを立ちあげ、それを世の中の新たな秩序として打ち立てていく。なんというパワー、エネルギーだろう。
そして今は、宇宙旅行の商業化を目指して活動している。自分の思考や行動の枠を遥かにこえたスケール感に触れていると、いつかぺゾスは本当に実現させてしまうのではないかと思う。米国IT起業家の情熱とエネルギーにただただ圧倒されるばかりだった。
★★☆☆☆