
「ラフェル前派展」に続いて、「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義 1860-1900」を見に行きました。恥ずかしながら、自分の中では、バーン=ジョーンズやアルバート・ムーアなどはラファエル前派「系」の画家たちというぼんやりした認識でした。が、本展覧会で唯美主義という1860年代~1900年代の英国の美術界・デザイン界に台頭した「時代に蔓延する醜悪さや物質万能主義から逃れ、新たな美を見いだしたい」という「芸術のための芸術(Art for Art’s Sake)」を創りだそうとした運動(展覧会HPより)に位置づけられることを知りました。
もともと好きな画家であったムーアの絵が何点も展示してあることもあり、とても興味深い美術展でした。特に、『花』や今回の目玉作品である『真夏』は優美という言葉がぴったりの美しい作品です。美しいだけでなく官能的でもあります。

アルバート・ムーア『花』

アルバート・ムーア『真夏』
嬉しかったのは、ビアズリーのサロメの挿絵が展示されていたこと。サロメの挿絵はロンドンのビクトリア・アルバート美術館にいくつか展示してあり幾度と見ましたが、ハガキサイズの小さな挿絵が何とも毒々しく独特の世界を作っています。オスカー・ワイルドの戯曲の世界と表裏一体となっているこの挿絵をまじまじと細部まで見入りました。
結局、なんだかんだ1時間半以上もかけて、閉館時間に押されるように会場を後にしました。ラフェル前派展とセットの割引チケットを購入したので足を運んだというところもあるのですが、期待を大幅に上回る展示内容で大満足でありました。
5月6日までですので、まだの方は是非。

《金曜日は8時までやってます》