先週、滅多にない海外出張があり、現地3泊で米国のシリコンバレーに行ってきました。米国は前回訪れたのが、2002年のプライベート旅行でしたからなんと13年ぶり。それこそ、英国赴任前はアメリカ大好き小僧だった私には、ひときわ懐かしい再訪となりました。しかも、訪問地は私にとって処女地であるシリコンバレー。ソフトウェア、エレクトロニクス、コンピュータ企業、インターネット関連などなどのハイテク企業の聖地です。
ただ、実際に行ってみると、シリコンバレーと言ってもそういった地名があるわけではないし、3日間会議室に缶詰でしたので、アップルやグーグル、フェイスブックのオフィスを見たわけでもなく実感には乏しかったのは残念・・・。それでも、いくつか「さすが!」と思ったところがありました。
一つは、良く言われることですが、投資家や起業家たちの人的ネットワーク。今回、おつきあいのある米系企業の幹部を訪ねたのですが、夕食のお誘いを受けたレストランでは、近くのテーブルに、彼と知り合いの某有名投資銀行のインベストメントバンカーが食事中。お互いが声を掛け合った後は、すぐに我々も「日本からのお客さん」ということで紹介され、「誰々を知っているか?」とか「あの(新しい)企業は面白い。紹介するぞ。」などのビジネスの話がはじまります。映画では見たことあるけど、なんかこのスピード感が凄い・・・(感心している場合ではないのですが)。
また、最近は日本でも展開していると聞きますが、タクシーの配車システム「ウーバー(Uber)」というサービスを始めて体験しました。これは、スマートフォンからタクシーを呼ぶサービスで、迎えにきてほしい場所を地図上でタップすれば、近くにいるドライバーがすぐに返答してくれるサービスです。まさにシリコンバレー発のサービス。
最終日、訪問先でパートナーさんがスマートフォンを操作すると、地図上に利用可能(待機中)の車が何台か現れ、到着まで●分とかまでわかります。さらには、ドライバーや車の属性までが表示されます。一番近くにいたのは、主婦のアルバイトドライバーだったらしく「3分で来れるらしいけど、この車は貴方にはお勧めしない」と言って、次の候補を探しにまたタップ。すると今度は黒い車のハイヤーばりの車。「これなら大丈夫だ」と言って予約。値段もタクシーより3割安くて、サービスもずっといいとか。
ただどうも話を聞いていると免許を持ったタクシーとは別のよう。「それって、大丈夫?日本なら白タクってイリーガルですよ」と言うと、「裁判にはなってるところもあるらしいけど、心配するな。タクシーよりずっとプロフェッショナルなサービスが受けられる。主婦やサラリーマンが空き時間に車を運転者になるから供給側もこずかい稼ぎになる。こんな良いサービスないだろ~」
お約束通り5分待って登場したのは確かに黒塗の立派な車。英語はとってもスパニッシュ訛りがあったけど紳士然としたドライバーがさっそうと登場して、私のためにドアを開けて、スーツケースも運んでくれました。運転の方も乱暴なタクシー運転手よりはずっと良くて、サンフランシスコ国際空港まで1時間弱を安心・安全に運んでくれました。
短い滞在期間でのちょっとした経験だったのですが、メディアを通じてしか知らなかったシリコンバレーを初めて肌感覚として感じたのは、私にとっても非常に勉強になる出張でした。もちろん、研修ではないので、これから仕事の成果を出さねばならないのですが・・・