原題はTHE NEW DIGITAL AGE。デジタル技術、そしてそれにより実現するコネクティビティや仮想世界が現実世界をどう変えていくのか。国家、革命、テロリズム、戦争はどう変わるのかを論じる。グーグルの元CEOエリック・シュミット氏が共著者であることもあり手に取ってみた。
残念ながら、私にはピンとこない一冊だった。「最終章 私たちの結論」で結論付けられるのは、「技術はそれ自体では、諸悪を解決する万能薬にはならないが、賢明に利用すれば大きな違いを生む」、「仮想社会は既存の世界秩序を覆したり、組み替えたりすることはないが、現実世界でのあらゆる動きを複雑にしていく」、「国家は、それぞれにとって自由度の高い世界ー個人は仮想世界、国家は現実世界ーでの活動を好むようになり、インターネットが続く限り、両者の緊張関係は続く」、「コネクティビティと携帯電話で、市民はかつてない大きな力を手に入れるが、プライバシー・セキュリティといった代償も伴う」といった、特に新しいとは思えない考察ばかりだ。エッヂが立っておらず、全然、グーグルっぽくない。
アマゾンのレビューではそれなりの高評価を得ているようなので、私と合わないだけなのかもしれないが、最近、読書に費やす時間が限られているだけに、こうした「ハズレ」本に会うと、がっかり度がさらに高まってしまう。