横浜美術館で開催中のホイッスラー展にでかけました。ジェームズ・マクニール・ホイッスラーはアメリカ出身ですが、若き時に絵画の勉強でパリに渡り、その後ロンドンを中心に活動した画家です。晩年はイギリス美術家協会会長まで務めているので、英国の美術家と言っていいでしょう。先般読んだ高橋裕子著『イギリス美術』でも、ジョン・シンガー・サージェントとともに外国生まれで、イギリス美術に多大な影響を与えた画家として紹介されていました。
展示は人物画、風景画、ジャポニズムと様式ごとに展示されています。私としては、これまで散発的に目にしたことはあっても、個展としてまとまって作品を鑑賞するのは初めてですし、どの作品も初見のものばかりだったので、食い入って見ました。油彩の他にも多くのエッヂングが展示されており、版画ならでは味わいが楽しめます。ジャポニズムのコーナーでは、構図やテーマで参考にされた浮世絵が併せて展示されており、その類似点も興味深かったです。
個人的には《青と銀色のノクターン》や《ノクターン:青と金色-オールド・バターシー・ブリッジ》が好み。タイトルに誘発されるのか、絵を見ていると脳裏に音楽が流れるようです。数年前は毎日眺めていたテムズ川の流れに懐かしさを感じるせいかもしれません。
《青と銀色のノクターン》
《ノクターン:青と金色-オールド・バターシー・ブリッジ》
週末でかつ会期も残り3週間を切ったせいか、開館時間直後から混み合っていました。昨年の「ラファエロ前派展」「ロイヤル・アカデミー展」など、最近は質の高い英国美術が楽しめる機会が多く、嬉しい限り。都内からは少し遠いですが、遠征する価値は十二分にある美術展でお勧めです。3月1日まで。
2015年2月11日訪問
《横浜美術館は初めてでした》
《久しぶりに中華街で食事》