その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

新印象派―光と色のドラマ Neo-Impressionism, from Light to Color @東京都立美術館

2015-03-14 09:35:40 | 美術展(2012.8~)


印象派の作品を集めた「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」(三菱一号館美術館)が自分的には今一つ不完全燃焼だったので、恐る恐るでかけたのですが、本展の方が質・量ともに圧倒的に充実したもので、大変満足度の高い展覧会でした。

1886年の最後の第8回印象派展から20世紀初頭のフォーヴィスム誕生に至るまでの新印象派の流れを辿ります。点描の明るく、優しい色合いの絵の数々は観ていて、心穏やかにリラックスさせてくれます。

新印象派と言えばジョルジュ・スーラの名前がまず頭に浮かびますが、彼が31歳で早世したというのは本展で初めて知りました。彼の代表作『グランド・ジャット島の日曜日の午後』は学生時代にシカゴ美術館で鑑賞しましたが、その習作が4点も展示されています。

東京の特別展は欧米の美術館の引っ越し展示(ルーヴル美術館展とか)が多いですが、本展は特定の美術館ではなく数多くの個人蔵の作品や世界各地の美術館から集められており、未見の作品が多く楽しめました。スーラの《セーヌ川、クールブヴォワにて》はとても好みの作品の一つでしたが、これも個人蔵です。


《セーヌ川、クールブヴォワにて》(個人蔵)

新印象派の作品が100点近く一堂に展示されると、その微妙なタッチや描き方の違いにも気づかされます。マクシミリアン・リュス《ルーヴルとカルーゼル橋、夜の効果》が街灯がセーヌ川に反射する様が美しかった。


《ルーヴルとカルーゼル橋、夜の効果》(個人蔵)

3月29日までの開催ですので、未見の方には強くお勧めします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする