フランスの港町ル・アーヴルで靴磨きを仕事に持つ中年男性とアフリカ難民少年との交流を描く。原題の”LE HAVRE”は街の名前「ル・アーヴル」。フィンランド人のアキ・カウリスマキ監督は私にはなじみがないが、母国では随分有名な方らしい。
清貧な暮らしをする主人公夫婦、そして街の人たちとの人情味あふれるやりとり。いまどきちょっと出来過ぎた感じがあるストーリー展開ではあるが、欧州における移民が置かれた難しい状況が映像ならではの現実感を伴って理解できる。
棒読み的な台詞回し、バストショットの多さなど、作りが非常に個性的なのは監督さんの特徴なのだろうか。
良心的で心暖まる映画だった。
(一つだけ気になったのは、2011年製作で、随分小さい携帯電話を使っている割には、出てくる街や車や人が古めかしく、時代設定が良く分からなかったことかな)
監督・脚本・製作 アキ・カウリスマキ
製作総指揮 ファビエンヌ・ヴォニエ
ラインハルト・ブルンディヒ
出演者 アンドレ・ウィルム
カティ・オウティネン
ジャン=ピエール・ダルッサン
ブロンダン・ミゲル
編集 ティモ・リンナサロ