その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄 @国立新美術館

2015-03-07 22:17:34 | 美術展(2012.8~)

《ポスターいろいろ》

 ルーヴル美術館展に行ってきました。ルーヴル美術館の特別展はさほど珍しくない気がしますが、今回のテーマは風俗画です。

 風俗画は、当時の人々の生活の様子を窺い知ることができる上に、絵の中の人物や物にいろんな意味が込められていることが多く、私の好きな分野です。一つ一つのサインの意味を読み解いたり、想像を巡らせたりするのは、絵を美的に楽しむと同時に知的にも、脳を刺激してくれますので。

 今回は、クエンティン・マセイスの「両替商とその妻」やピーテル・ブリューゲル1世「物乞いたち」、ヤン・ステーン「不埒な集い」、ファン・ホントホルスト「抜歯屋」、ファン・レイデン「トランプ占いの女」などなどお好みのオランダ系風俗画が盛りだくさんで、とっても楽しめました。立ち止まって端から端までくまなく人・物を見つけてはその意味合いを考えます。そんなこともあって、通常以上に鑑賞に時間を取られ、閉館1時間15分前に入ったのに閉館20分前になっても半分くらいしか進んでおらず、後半は結構駆け足鑑賞になってしまうほど。

 また、フェルメールの「地理学者」、ティツィアーノ「鏡の前の女」、シャルダン「買い物帰りの召使い」など教科書級の絵が鑑賞できるのも、ルーヴル展ならではの魅力です。

 会期開始まもないこと、かつ夜間開館時間に訪れたためか、思いのほか空いていてゆっくり鑑賞できたのも良かったです。展覧会は早いうちに行ったほうが良いんですね。

 ちょっと残念だったのは、音声ガイド。風俗画の寓意を解説してくれるのかなとの期待感をもって借りてみたのですが、情報としては絵の横にある解説プレートとほぼ同程度で、充実した謎解き情報は得られませんでした。

 風俗画が好きな方はもちろん、そうでない方にもお勧めの特別展です。
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