その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

映画 『ジャージー・ボーイズ』  (監督 クリント・イーストウッド)

2015-04-01 19:25:38 | 映画


 アメリカで70年代に一世を風靡した4人組のグループ「フォー・シーズンズ」の成功と挫折を描く映画。ニュー・ジャージー州出身の4名組なので、ジャージー・ボーイズである。クリント・イーストウッドが監督。

 個人的体験だが、学生時代、アメリカに少々滞在していた時に、アメリカ人の友人とニュージャージーについての話になった。「ニュー・ジャージーってニュー・ヨークの隣にあるという以外は何の特徴もないつまならい田舎だよ。訪ねるようなところはまるでないしね。連中のアクセントがまた田舎っぽい。ブルース・スプリングスティーンがニュー・ジャージ訛りの典型。ボソボソしゃべって、何だか良く分からないだろ」。今ではニューヨークやフィラデルフィアの近隣エリアとして全米でも高所得者の集まる州のようなので当時とは全く違うようだが、この映画を見て、当時の会話が鮮明に思い出された。

 そのつまらないニュー・ジャージーを抜け出して成功を掴む。しかし成功は長くは続かず、破たん。それでも、ニュー・ジャージーで培われた友情は特別。アメリカ映画っぽい、テーマ設定・展開は何となく予定調和的なものを感じるが、まあ逆に安心して見ていられるというところもある。

 全編を通して、耳に覚えのあるフォーシーズンズのナンバーが流れるのは楽しい。が、宣伝にあった「ミュージカル」というジャンル分けには疑問符がつく。ミュージカルという程、音楽に溢れているわけではなく、ドラマとして観た方が良いだろう。

 クリント・イーストウッド監督と言えば、「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」といった社会派の硬派作品が思い浮かぶので、この映画には少々驚いた。決して軟派な映画ではないが、彼がこの作品に込めたメッセージはなんなのだろうか?というのは私には最後までピンとこなかった。


スタッフ
監督 クリント・イーストウッド
脚本 マーシャル・ブリックマン 、 リック・エリス
製作総指揮 フランキー・ヴァリ 、 ボブ・ゴーディオ 、 ティム・ムーア 、 ティム・ヘディントン 、 ブレット・ラトナー 、 ジェームズ・パッカー
製作 グレアム・キング 、 ロバート・ロレンツ 、 クリント・イーストウッド
撮影 トム・スターン
美術 ジェームズ・J・ムラカミ
編集 ジョエル・コックス 、 ゲイリー・D・ローチ
衣裳デザイン デボラ・ホッパー

キャスト
フランキー・ヴァリ ジョン・ロイド・ヤング
ボブ・ゴーディオ エリック・バーゲン
ニック・マッシ マイケル・ロメンダ
トミー・デヴィート ヴィンセント・ピアッツァ
ジップ・デカルロ クリストファー・ウォーケン
ボブ・クルー マイク・ドイル
コメント (2)
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