私のツボにぴったりと嵌った映画。1980年代のサッチャー改革を背景にした、登場人物それぞれの成長ドラマであり、家族愛のドラマであり、友情・団結のドラマであり、社会派ドラマである。
シネマトゥデイから作品紹介の冒頭を引用すると「ストライキ中の炭鉱労働者支援に立ち上がったロンドンのLGSM(ゲイとレズビアンの活動家たち)の若者たちと、ウェールズの炭鉱労働者の交流をつづる感動作」。
原題は「Pride」だが、「パレードへようこそ」という邦題は、この映画の印象的シーンを的確に捉えていて良い。
実話をもとにしたストーリーが、リアリティ一杯かつドラマティック。そして何よりも、個々の登場人物が何とも個性的。社会のメインストリームからは外れている(外れつつある)人たちが、自信と誇りを持って「闘う」。笑い一杯だし、涙もある。そして観終わった時には元気が出る。
イギリスが一杯詰まってる。ゲイ・レズビアン(前職のロンドンの職場にでもカミングアウトしている人が何人もいた)、チャリティー文化(イギリス人の生活に根付いてる)、サッチャー改革(この時代は良くも悪くもイギリスを変えた)、ウエールズの自然・誇り(職場でもウエリッシュのプライドは何度も聞かされた)、パブ(1パイントのグラスに焦げ茶色のエール)・・・。
これは是非、皆に見てほしい。東京では今のところシネスイッチ銀座だけでの上映。
スタッフ
監督マシュー・ウォーカス
製作デビッド・リビングストン
制作総指揮キャメロン・マクラッケン/ クリスティーン・ランガン/ ジェームズ・クレイトン
キャスト
ビル・ナイ: クリフ
イメルダ・スタウントン: ヘフィーナ
ドミニク・ウェスト: ジョナサン
パディ・コンシダイン: ダイ
ジョージ・マッケイ: ジョー
作品データ
原題: Pride
製作年: 2014年
製作国: イギリス
配給: セテラ・インターナショナル
上映時間: 121分