炭鉱閉鎖に追い込まれるイングランドの小さな町。そこの炭坑夫達が所属する伝統あるブラスバンドのメンバーたちが、ロイヤルアルバートホールで行われる全英ブラスバンド大会を目指す過程での、彼らの生活や社会が描かれます。イギリス映画らしい淡々として抑制された映像により、リアリティ溢れる(実話がベースになっている)作品になっています。
炭坑を描いた作品としては「ビリーエリオット(リトル・ダンサー)」が私のベストですが、本作も産業構造の転換期の中で時代の波に翻弄されざる得ない炭坑夫達の人生の一幕を切り取った秀逸な映画です。「リトルダンサー」のようなコメディタッチの部分は無く、よりシリアスです。実話ベースなのに、クライマックスはできすぎぐらい感動的です。
私は知らなかったのですが、ブラスバンド文化というのはイギリスの草の根に根付いたものだったのですね。「ウィリアム・テル序曲」や「威風堂々」など、音楽映画としても楽しめます。
スタッフ
監督 マーク・ハーマン
脚本 マーク・ハーマン
製作 スティーヴ・アボット
撮影 アンディ・コリンズ
美術 ドン・テイラー
音楽 トレヴァー・ジョーンズ
編集 マイケル・エリス
衣装デザイン エイミー・ロバーツ
演奏 グライムソープ・コリアリー・バンド
字幕 細川直子
キャスト
Danny ピート・ポスルスウェイト
Andy ユアン・マクレガー
Gloria タラ・フィッツジェラルド
Harry ジム・カーター
Greasley ケネス・コリー
Simmo ピーター・ガン
Ida メアリー・ハーレイ
Sandra メラニー・ヒル
Jim フィリップ・ジャクソン
Vera スー・ジョンソン
Ernie ピーター・マーティン
Mackenzie スティーヴ・ムーア
Rita リル・ラフリー
Phil スティーヴ・トムプキンソン